News:ニュース速報 2002年3月4日 06:22 PM 更新

小児病棟と家族を光で結ぶ NTTなどが福岡で実験

 小児病棟と患者の家族を光ファイバーネットワークで結び,小児患者のストレスを和らげる実験に,NTT(持株会社)と福岡市の病院などが取り組む。家族の存在感を感じて安心してもらうことで,本来の快復力を発揮させるのが狙いだ。


 実験は,小児科専門の福岡市立こども病院・感染症センターとNTT,NTT西日本,財団法人九州システム情報技術研究所(ISIT)が3月から3カ月間にわたって共同で行う。患者の自宅と家庭を「Bフレッツ」で接続,サービスの有効性を検証する。

 実験では,仮想ペットへの呼び掛けやタッチパネルで操作できるPCを患者に提供。自宅の家族の状態(会話可能,外出中など)を把握でき,在宅を確認できれば家族の名前を呼び掛けることで動画通信モードに移行できる。また複数の患者が参加できる“仮想院内学級”で学んだり,ISIT内に設置されたロボットや外部カメラを音声で操作し,病院の外のリアルタイム映像を見ることもできる。


 福岡市立こども病院は,西日本で唯一の小児専門総合病院。県外の患者も多く,面会で訪問する家族の負担が大きい。また感染症センターでは面会が制限されることも多く,闘病への不安と孤独感からストレスを抱え,病状の快復に大きな影響を与えているという。

 NTTは,双方向動画通信による「院内学級支援システム」を開発,2年前から国立小児病院などと評価を進めてきた。だがシステムの有用性自体は確認できたものの,ナローバンド環境では画像品質や応答性に劣るという課題があった。

 今回の実験では,光ファイバーを使った高速ネットワークや,新しいインタフェース技術などを活用,自宅にいるようにリラックスできるような「e-ライフアメニティシステム」として評価を進め,実用化を目指す。

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