News:ニュース速報 2002年3月20日 08:05 PM 更新

川崎重工,人間型ロボットの遠隔操作システムを開発

 川崎重工業はこのほど,人間型ロボットを遠隔操作するシステムを開発した。可搬型で,災害や建設の現場で人間型ロボットを操作し,危険な作業を人間に代わって行うことができる。新システムは「ROBODEX2002」(3月28日開幕,パシフィコ横浜)で公開する。



 遠隔操作システムは,ロボットのアームを操作する「マスターアーム」2台と,脚部をコントロールする「マスターフット」,両コントローラを統合制御する「制御装置」で構成。ロボットはステレオカメラを搭載し,3次元映像で状況を確認しながら操作できる。これらは専用ケースに収納して持ち運べる。

 マスターアームは,人間の腕と同じ6自由度を持ち,両腕を同時に操作可能。ロボットのアームにかかる加重も提示できる「力/モーメント提示機能」も備える。手首部の機構を工夫することで,力とモーメントを分離して提示できるという。グリップ部には各種操作に利用できる小型スイッチを搭載する。

 マスターフットは光ファイバーを使って操作者の足首の位置・姿勢を計測する。両脚の指令を同時に行える。

 制御装置は専用ボードを搭載。ホストコンピュータはLinuxを搭載した汎用マシンで対応でき,IEEE 1394インタフェースで制御ボードと接続される。

 同社は2000年4月,定置されたロボットを遠隔操作できるシステムを開発した。人間の分身として危険な作業もこなせる移動型ロボットのリモートコントロールシステムの開発を進め,2001年6月にはフォークリフトの乗り込みから運転操作までの遠隔操作に成功している。

 新開発のシステムは,定置型システムをベースに装置のコンパクト化を図った。新システムを使い,油圧式ショベルカーにロボットが乗り込んで着座,操作も行う実験に成功し,実用性を確認したという。

 開発は経産省の「人間協調・共存型ロボットシステム開発」プロジェクトの一環。ショベルカーの運転実験は東急建設と産業技術総合研究所とで共同で行った。ROBODEXでは人間型ロボットによるフォークリフト運転のデモを行う予定。

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