羨ましすぎ!? 「花粉症の時期は出社しなくていい」会社、その狙いとは

2016年04月04日 10時00分 更新
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毎年多くの日本人を涙させる「花粉症」。オフィスのごみ箱にティッシュペーパーが散乱するこの時期に、「花粉のない沖縄などで働いてもいい」というユニークな施策を取り入れて成果を出している会社がある。果たしてその全貌とは?

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 「室内にいても花粉を感じる」「仕事にならない」――毎年この時期になると多くの日本人を涙させる「花粉症」。企業で働くビジネスパーソンにとっては、自らの意志と関係なく生産性を下げてしまう大きな原因にもなっている。

 天気予報アプリを手掛けるウェザーニューズが約3万人に対して実施した「花粉症に関する調査」によると、同社ユーザーのうち花粉症に悩む人の割合は58%。そのうち81%は「花粉は仕事や勉強に影響する」と回答し、中でも「生産性が30%低下する」という声が最も多く寄せられたという。

 そんな悩みを根本から解決すべく、「東京本社を離れ、花粉が少ない地域(沖縄や北海道など)でリモートワークをしてもいい」というユニークな制度を取り入れた会社がある。オリジナルTシャツの制作・ネット販売などを手掛ける株式会社spice life(東京都渋谷区)。果たして同社が異色の施策に取り組む狙いとは――?

「発作が止まらなくなる」「仕事にならない」――きっかけは社員1人の声

 spice lifeが取り入れたのは、社員が1年のうち1カ月を好きな地域で働ける「リモートライフ制度」。2015年にスタートし、今までに複数の社員が同制度を活用してリモートワークを実施している。

 そんな同制度の発想が生まれたのは2014年のこと。きっかけは、ひどい花粉症を抱えたある1人の社員の声だった。

photo spice lifeの五十嵐邦明CTO。ひどい花粉症に悩まされている

 「私は幼いころからずっと花粉症に悩まされていて、1〜4月の4カ月間はスギ花粉で仕事に手が付けられないほど。目がかゆくて鼻水が出るのはもちろんのこと、頭も喉も痛くなり、体の中で何かがうごめいているような感覚になります。ひどい時には“発作”のようにクシャミが止まらなくなります」――spice lifeでCTO(最高技術責任者)を務める五十嵐邦明さんはこう話す。

 五十嵐さんは現在、同社に10人いるエンジニアたちのリーダーとして、ECサイトの開発・改善などを指揮している。そんな彼が毎年決まった時期にパフォーマンスが下がってしまうのは、本人にとっても会社にとっても大きな損失だった。そこで2014年春、吉川保男社長に雑談をしている中で「会社にいても花粉症があまりにつらいので、花粉のない沖縄で働きたい」と持ち掛けたという。

 そして半年後、本人もそんな話をしたのを忘れていたころに、吉川社長から返事があった。「私は花粉症ではないので気持ちは分からないけれど、確かに1年のうちに数カ月もパフォーマンスが出ないのは会社としても困る。そんなにつらいなら、来年からやってみよう」――。こうして同社のリモートライフ制度が誕生した。

最長1カ月、10万円の原資でリモートワーク 沖縄では「1.5倍の成果が出た」

 リモートライフ制度のルールはこうだ。花粉症の時期にかかわらず、1年のうち最長1カ月間、会社から支給された10万円を使って好きな地域で働くことができる。対象はほぼ全社員。例えば花粉症の人なら「スギ花粉が最も飛ぶ2〜3月の1カ月間だけ沖縄で働く」といったことが可能だ。

 2015年2月に制度をスタートし、第1号として五十嵐さんが沖縄と台湾でリモートワークを実施。空き部屋シェアサービス「Airbnb」で現地の民家に宿泊しながら、会社にいるのと同じようにチームと情報共有しながら開発業務などを行ったという。

photo 沖縄で滞在した民家。ここで集中して仕事に取り組む
photo 時には海辺で気分転換しながら働くことも
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photo リモートライフ後半には、沖縄と同じく花粉が少ないという台湾へ移動。日中は仕事をしっかりこなし、夜は現地の友人たちとの食事を楽しんだという

 東京と沖縄/台湾をまたいでのチーム作業を支えたのは、さまざまなITツールだ。例えばビデオチャットツールの「Google ハングアウト」を使ってリモート会議を行ったり、チャットツールの「Idobata」でコミュニケーションしたり、「GitHub」「esa.io」といった情報共有ツールを駆使したりすることで、「会社にいるのと全く同じように仕事をすることができた」(五十嵐さん)という。

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photo ビデオチャットを使った会議の様子

 リモートライフの成果はすでに上がっているようだ。五十嵐さんの場合、昨年2月に沖縄と台湾で働いている間は、同時期に東京で働くのと比べて「1.5倍の業務成果が出た」という。

 「沖縄や台湾では、花粉のストレスを感じることなくスムーズに業務を進めることができました。また『自分の意思で本社を離れて働くからには、なんとしても普段以上の成果を上げたい』という意識も働いたように思います」(五十嵐さん)

photo 五十嵐さんも開発に携わった同社の新サービス「STEERS」。Webブラウザ上でオリジナルTシャツをデザインし、販売まで行えるのが特徴だ

 リモートワーク制度を活用しているのは発起人の五十嵐さんだけではない。昨年は、他のエンジニアの社員も米サンフランシスコに滞在し、現地の開発者向けセミナーなどに参加しながら通常業務をスムーズにこなしていたという。

異色の施策を支えたのは「ITツールの高性能化」 今後も「やらない理由がない」

photo 吉川保男社長

 2015年にスタートしたリモートライフ制度。同社はそこで得られた成果を受け、今後も継続的に同制度を活用していく考えだ。「社員のパフォーマンスも上がるし、モチベーションの向上にもつながる。やらない理由がありません」と吉川社長は話す。

 同施策はメディアでも取り上げられ、「その発想はなかった」「羨ましすぎる」「うちの会社でも導入してほしい」など話題になった。多くの日本企業がなかなか取り組めない“異色の施策”が成功したのはなぜなのか。その要因の1つとして、五十嵐さんは「IT機器の進化」を挙げる。

 「こうした自由な働き方は、例えば今から5〜10年前には到底考えられませんでした。当時はGitHubのような情報共有サービスも普及していませんでしたし、ビデオ会議を行うためのPCのスペックも足りませんでした。しかし今なら、高性能なノートPCとクラウドサービスを組み合わせて、どこでも同じように働ける環境が整っています」(五十嵐さん)

photo 社内ではデルの高精細モニタを使い、社外にいるメンバーとも協力しながら業務を進めている

 一方、同制度を使って怠ける社員がいたらどうするのか――といった疑問を感じる向きもあるかもしれない。しかし吉川社長によれば、そのような心配は「一切ない」という。

 「五十嵐がリモートライフで大きな成果を上げてくれたように、自由な働き方をする上では責任が伴います。当社の場合、リモートライフ中にもビデオ会議を活用して部署の定期ミーティングに参加してもらいますし、クラウドサービスを使って業務成果の振り返りも行っています」(吉川社長)

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 ノートPCやタブレット、クラウドサービスが大きく発展した今、会社のデスクにしばられずに成果を出す方法はいくつもある。あなたの会社でも、最新のITを活用して「社員のパフォーマンスを最大化する働き方」を目指してみてはいかがだろうか。

パワフルな端末をワークスタイル変革の源泉に

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薄く、軽く、フレキシブルに。デルはGoogle ハングアウトの利用に適した「Dell Chromebook 11」や、高性能な法人向けノートPC「Dell Latitude 13 7000シリーズ」、超薄型・高性能な法人向け2-in-1タブレット「Dell Latitude 12 7000シリーズ 2-in-1」などの提供を通じ、ビジネスパーソンの生産性を高める自由な働き方を支援しています。

時代とともにベストな働き方は変わっていくもの。デルは日本の自社オフィスで、効率と満足度を高めるためのさまざまなワークスタイルを実践。職種や仕事内容が異なる社員1人1人に最適な働き方を追求しています。

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