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人間よりも上手? QRIOが声優に挑戦

アストロボーイ・鉄腕アトムに出演。ロボットとして世界で初めてアフレコに挑戦した。

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 ソニーの4体組2速歩行ロボットQRIOの一体、オードリーが1月15日、都内のスタジオで声優に挑戦した。

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「よろしくお願いします」と挨拶してスタジオ入りしたオードリー。専用のミニサイズディスプレイとマイクの前でスタンバイだ

 出演するのはTVアニメ「アストロボーイ・鉄腕アトム」(フジテレビ系列・日曜朝9時30分から)の第43話「人間に憧れたロボット」(2月8日放送予定)。子どもたちに絵本を読んで聞かせてあげるロボット「オードリー」として、本人役での出演となる。台詞は20秒程度と“チョイ役”だが、身振り手振り付きで熱演した。

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台本片手に演じる人間の声優さんを尻目に、全せりふを暗記していたオードリー。声優初挑戦ながら余裕の表情だ

 1テイク目の後、監督に「もっと抑揚をつけて喋って」と注文されると、節をつけて歌いだしたり、倍速で台詞をまくしたてたりとボケも披露。4テイク目で見事OKが出た。

 QRIOは、テキストを日本語らしい抑揚つけて読み上げられるテキストスピーチ機能を備える。今回のアフレコでは、台詞や動きをあらかじめ覚えさせた上で、別室のPCから無線で行動開始の指示を与えるという、鉄人28号的リモコン操作で行われた。リテイク時はスタジオ内のスタッフがマイクを使って別室のPCスタッフに次の動きを指示。ロボットが自律動作のみで声優をこなすのはまだまだ難しいようだ。

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スタジオからマイクでQRIOの動きを指示する“中の人”は、QRIO開発者の服部裕一さん

人間の声優はもういらない?

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左からお茶の水博士の秘書・如月夕子役の川瀬晶子さん、アトム役の津村まことさん、ウラン役の丸山美紀さん

 「アトムみたいなロボットを見るのは初めてでびっくりしました」とアトム役の津村さん。如月夕子役の川瀬さんは、「堂々としていて度胸があるし、歌って踊れるなんてタレントとして使い勝手がいいですね」と芸能人らしいコメント。ウラン役の丸山美紀さんは、「私がはじめてアフレコやった時より上手。ロボットが声優までできるようになったら、私たちお払い箱かも」と不安そうだ。

 QRIO開発者・服部裕一さんによると、「QRIOはまだ人間並みの声は出せないが、今後開発が進めば、さまざまな声色を使い分けられるようになるかもしれない」とのこと。「ロボットがいろんな声を出せるようになったら私達やっぱりお払い箱……」と丸山さんはさらに不安そうになってしまった。

 同アニメの小中和哉監督は、「ロボットを人間の道具としてではなく、パートナーとして描くのが『アトム』。人間のパートナーとして開発されたQRIOはまさにアトムと同じだ」というが、共演者の目にはパートナーというよりも強力なライバルとして映ったようだ。

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