きょうはGIGABYTE「GA-8TRS300M」に搭載されたIXP200を試してみた。(2/2 ページ)
3D描画性能で期待のかかる統合型チップセットRADEON 9100 IGP。サウスブリッジ「IXPファミリー」の調整遅れのため、なかなかマザーが出揃わない状況が続いているが、早い段階で発表されていたGA-8TRS300Mがようやくショップに登場。IXPには上位バージョン「IXP200」を搭載している。
SYSmark2002のスコアを見てみると、Ratingで275と、Intel 865PEを20ポイント以上も下回る結果となってしまった。Internet Content Creation、Office ProductivityもともにIntel 865PEを下回っている。SYSmark2002で見る限り、GA-8TRS300MのパフォーマンスはP4P800に水を開けられているように見える。
さらにメモリ周りのベンチマークの結果をみると両者の差が大きくなってしまう。。P4P800のテストは、メモリアクセラレーション機能をオフにして計測しているが、それでもメモリバンド幅、メモリアクセス速度ともに、GA-8TRS300Mは差を付けられている。
ところが、WinBench99のDiskWinMarkでは、GA-8TRS300MとP4P800の差がそれほど大きくない。Business DiskMarksで少し下回る程度だ。CPU周りのベンチもほぼ同等のスコアとなっている。また、グラフィックス系のベンチの結果も同じような傾向を示している。AGP周りの性能差もほとんどないことになる。そのほかのテスト結果では、100BASE-T LANのスループットが94Mbpsと好成績を残しており、かなり優秀だということができるだろう。
つまるところ、システムパフォーマンスを低下させている原因は、メモリアクセスにあると見ることができるわけだ。
BIOS設定はオーバークロッカー向きでない
GA-8TRS300MのBIOS設定で、チューニングに使えそうな項目は、FSBの設定とメモリクロックおよびメモリレイテンシの設定程度である。メモリクロックやレイテンシに関しては、「Advanced Chipset Features」に設定項目が用意されてが、なんとデフォルトではAdvanced Chipset Featuresが表示されず、CTRL+F1キーを押して初めてメニューに追加される仕組みになっている。
Vcoreやメモリ電圧などの設定は自動のみとなっているため、オーバークロックで遊ぶにはちょっと物足りないだろう。パフォーマンスから見ても、どちらかというと安定志向で設計されたマザーボードということができる。そういうわけで、初心者やセカンドマシンなどに利用するのがお薦めである。
初心者でも心配いらない一括インストールのドライバCD
自作PCの初心者が統合型チップセットマザーで躓きやすい要因に、ドライバのインストール作業がある。一般的には、チップセットドライバ、グラフィックスドライバ、ネットワークドライバ、サウンドドライバなどをひとつひとつ入れていかなければならないが、適宜再起動が必要で、慣れていても面倒に感じてしまう。
最近では各マザーボードメーカーが工夫して、関連ドライバを手軽にインストールしてくれるユーティリティが付属する場合が多い。GA-8TRS300Mのドライバディスクにも「Xpress Install」が用意されており、必要なドライバを、クリック一つでインストールしてくれるようになっている。これなら、自作が初めてという人でも、すべてのドライバを間違いなくインストールできるはずだ。
さらに、付属ソフトの中には、Windows上でBIOSのアップデートが可能な@BIOSや、オーバークロックを手軽にチャレンジできるEasyTune4などGIGABYTEマザーでは定番のツールが付属する。こういった面でも、GA-8TRS300Mは安心して初心者に勧められるマザーとなっている。
実売価格ではほぼ1万円程度と、メジャーベンダーのPentium 4マザーとしては比較的低価格であり、ハードなエンターテイメント目的以外なら十分に魅力的なマザーと言えるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.