デスクトップ環境を持ち運べる超小型フルWindowsマシン、日本IBMが試作
“筆箱程度”のケースにCrusoeやHDDなど、PCのコア部分を集積。ディスプレイは装備せず、出先や自宅のディスプレイに接続して使う仕組み。
日本アイ・ビー・エム(IBM)は2月25日、フルWindowsを搭載可能な超小型PC「PC Coreを試作したと発表した。“筆箱程度”のケースにCrusoeやHDDなど、PCのコア部分を集積。ディスプレイは装備せず、出先や自宅のディスプレイに接続して使う仕組みで、“ユーザー自身のPC環境を持ち運べる”のがコンセプトだ。
試作品したPC Coreのサイズは82(幅)×160(奥行き)×22(高さ)ミリ、重さは300グラム。CPUはCrusoe TM5800/1GHzを採用し、メモリは最大512Mバイトを搭載可能。HDDは2.5インチサイズで40Gバイトまで拡張できる。OSはWindows 98/2000/XPを搭載可能だ。ただこれはあくまで基本仕様で、用途に応じて変更は可能としている。
ディスプレイと入力デバイスを一切装備しないため、単体での使用はできない。使用時には各種インタフェースを備えた専用クレードルに装着する必要がある。
ユーザーはPC Coreを持ち運び、自宅や会社、出張先などのクレードルに接続すれば自分のPC環境をそのまま利用できるメリットがある。ノートPCを持ち運ぶのに比べ小型軽量な上、単体起動ができないため重要データの持ち運びも比較的安全に行える。
また企業にとっては、数年おきの機種更新でもPC Coreのみで済み、コスト削減効果が期待できるという。
PC Coreは、米IBMワトソン研究所が開発した超小型PCプラットフォーム「Meta Pad」のコンセプトを、日本IBMの「エンジニアリング&テクノロジー・サービス」部門が受け継いで開発した。法人向けソリューションの一部としての販売を検討しており、単体販売やコンシューマー向け販売は考えていないとしている。価格は「数千台単位の注文があれば20万円を切ることも可能」(同社)。
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