独ハイデルベルクで開催のInternational Supercomputer Conferenceで6月21日、最新のスーパーコンピュータTOP500リストが発表された。
1位は前回(2003年11月)に続いて、NECが構築した35.86テラFLOPSの地球シミュレータ。2位は米ロスアラモス国立研究所のASCI Q(Hewlett-Packard製)に代わり、米ローレンス・リバモア国立研究所のItanium 2搭載システムThunderが新たにランクインした。ASCI Qは3位に後退。
また4位と8位には新たにIBMのBlueGene/Lのプロトタイプがランクインした。さらに6位も同社のシステムp690が占めた。p690はヨーロッパ中期気象予報センターで使われており、これにより欧州勢がトップ10に返り咲いた。
10位には初の中国製システムがランクインした。このシステムは中国のインテグレータDarwingが構築したもので、AMDのOpteronを搭載。
前回のランキングで3位に入ったMacクラスタ「SuperMac」は、新モデルへの移行期に当たったため、今回はランクから外れている。
今回は1テラFLOPSを超える処理能力を持つシステムが、前回の130台から242台へと半数近くに増えた。性能の伸び率はTOP500リストの11年の歴史の中でも過去最高となっている。
このほかのトレンドとしては、Intelプロセッサ搭載システムが前回の189台から287台に拡大。その次に多かったのはIBMのPOWERベースシステム(75台)で、続いてHPのPA-RISC(57台)、AMDプロセッサ(34台)となっている。またIBMのシステムが500台中44.8%を占めてトップに立ち、2位のHP(28%)との差を広げた。
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