米ソフトメーカーのJolly Technologiesは8月4日、インドのムンバイにある研究開発センターで、主力製品のソースコードの一部と社外秘の設計文書が盗まれたと発表した。
同社がインド支社からの報告として公表したところでは、ソースコードを盗んだのは最近雇ったばかりの25歳のソフトエンジニア。100Mバイトのストレージを提供しているYahoo!の電子メールを使い、研究施設からファイルをアップロードして持ち出したとされる。
米国では従業員の雇用契約の中で、開発施設からのソースコード持ち出しを禁じているのが普通で、Jolly Technologiesのインド支部でも同様の雇用契約に署名させていた。しかしインドでは法的規制がそれほど厳しくなく知的財産法も存在しないため、こうした契約を守らせるのは事実上不可能に近いと同社は主張している。
Jolly Technologiesでは地元の司法当局と協力して、このエンジニアに対する措置を講じるとともに、こうした犯罪の再発防止を模索。しかし安全策が強化されるまで地元での人材採用を一時中止、インドでの開発業務も中断したという。
インドのような第三世界へのソフト開発アウトソーシングはコスト削減という面では魅力的だが、企業を重大な危険にさらしかねない面もあると、同社の発表では指摘している。
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