「iタウンページ」でローカル検索に先手
NTT-BJの「iタウンページ」が全面リニューアル。トレンドになりつつあるローカル検索と、タウンページという“コンテンツ”財産を組み合わせて検索各社に先行する。
NTT番号情報(NTT-BJ)は10月25日、職業別電話番号検索サービス「iタウンページ」を11月1日にリニューアルすると発表した。ユーザーが指定した地域の情報を表示する「ローカル検索」を導入する。ローカル検索は米Yahoo!などが相次いで参入しており、同社はタウンページの蓄積を活用し、検索各社に先行したい考えだ。
住所・キーワードからの検索に加え、検索エリアを全国63万カ所の駅・有名スポットや地図から指定できるようにした。検索結果は一覧リスト表示するほか、地図上に20件まで一括表示することも可能。クリックすると営業時間やメニューなどの詳細を表示するほか、ユーザーの口コミ情報も閲覧できる。
検索対象データは全国の約1100万件。業種分類は紙のタウンページの約1800種類から約8000種類に拡大。例えばタウンページの「ラーメン店」を、iタウンページでは札幌ラーメン、喜多方ラーメンなどときめ細かく分けた。
より地域性の高い新サービスとして「miタウンページ」も始める。ユーザーはあらかじめ、自宅や勤務先、遊び場など5カ所までの行動圏を登録しておく。同サイトにアクセスすると、登録地点の1キロ四方の地図を表示。エリア内の店舗やおすすめ情報を閲覧できる。ユーザーの生活圏に密着した情報をタイムリーに提供するのがねらいだ。
miタウンページはまず、JR中央線沿線の東京・新宿−立川間についてスタート。東京23区や政令指定都市に順次拡大する計画だ。
「タウンページ」という強力“コンテンツ”
「タウンページの情報は全国約1100万件。これは“コンテンツ”と言える」と山口隆彦社長は話す。リニューアルの目玉として導入したローカル検索は、膨大な情報を“宝の山”に変える可能性がある。
iタウンページの月間ページビュー(PV)は1億。広告収入は今年度で50億円を見込む。同サイトの広告は、ユーザーの検索結果として店舗名などを表示する「検索リスティング広告」。国内のネット広告市場約1500億円のうち、同広告は約300億円を占めると見られており、前年に比べ3倍に増えた。
同広告の拡大のカギを握ると見られるのがローカル検索。米国では今月、Yahoo!が「Yahoo!Local」を正式オープン。米Googleも3月に「Google Local」のベータ版を公開した。地域を指定した検索ニーズが高まっているためで、広告主は検索キーワードに加えて対象地域名も購入するようになっている。
iタウンページは電話番号を元にしているため、Webサイトを持たない店舗でも検索可能。地図上への一括表示など、ネットならではの利便性も加えた。山口社長は「Yahoo!Localと遜色ないでき」と自賛する。
NTTレゾナントの「goo」に検索窓を設置するなど、他社ポータルとの連携などで広告価値を高める作戦もとる。タウンページの認知度の高さとローカル検索の利便性を売りにポータル各社に対抗し、2年後に売り上げ100億円を目指す。
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