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バルマー発言の余波続く――“オープンソース保険会社”の調査ディレクターが辞任

「Linuxは228件の特許侵害」とのバルマー発言に利用された責任を取り、オープンソース擁護派の一人がOpen Source Risk Managementを辞職した。

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 米Open Source Risk Management(OSRM)が今夏発表した報告書を基に、「Linuxは228件の特許を侵害している」としたMicrosoftのスティーブ・バルマーCEOの発言が、さらなる波紋を呼んでいる。

 OSRMに訴訟リスク調査ディレクターとして貢献していたオープンソース擁護派のパメラ・ジョーンズ氏が、バルマー氏の発言などを理由に、OSRMでの職を辞したことを明らかにした。

 ジョーンズ氏は、SCO関連の訴訟の動きを伝えるオープンソース系のサイトGroklaw.netを立ち上げた人物として知られている。OSRMは今春、オープンソース保険を発表して注目を浴びたニューヨークの新興企業。同社は発足当初、エリック・レイモンド氏、ブルース・ペレンス氏、リチャード・ストールマン氏といったオープンソース界の大御所から支持を取り付けたとされる。

 ジョーンズ氏は11月20日、Groklaw.net上に次のように記した

 「SCOが先日イギリスで行ったイベントにたまたま出席した知人から個人的に報告を受けたのだが、発言者の1人が、私の名前を引き合いに出して、Linuxには知的財産権上のリスクがあると私が信じているかのように語り、Linuxをビジネスに使うべきでないと説明したという。これはもちろんナンセンスで、私の意見は正反対だが、私は自分の仕事上の関係が、FUD(ユーザーの恐怖、不安、疑念をかき立てる戦術)に使われたことを深刻にとらえている。加えて“バルマーFUD”もあった。これについて私は、この数日、慎重に考えた」

 そして同氏は、「FUDが公正なものでないのはいつものことだ」としながらも、「自分がOSRMのために行った仕事がFUDの可能性を生み出したのなら、私はこの問題を取り除く必要がある。お金もいいが、高潔であることが一番だ」とし、OSRMの仕事を辞したことを伝えている。

 バルマー氏の発言をめぐっては、OSRMの報告を曲解したものだとの指摘があり、OSRMもサイト上で反論を掲載している。

 なおジョーンズ氏は、「OSRMの対応は極めて親切で、いつかまた、一緒に仕事がしたいが、今のところ、私はほかの仕事を探そうと心に決めた」と記している。

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