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被災地画像をヘリからリアルタイム配信、衛星通信新システム

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 情報通信研究機構(NICT)は12月2日、災害発生時、ヘリコプターから撮影した被災地の画像を通信衛星に直接送信し、関係機関にリアルタイム伝送する「ヘリコプター衛星通信システム」の開発に成功したと発表した。


衛星通信システムとカメラを搭載したヘリコプター

 無線通信基地局のない地域や、道路が壊れて通信中継車が入れない被災地、海上などでも、ヘリと地上間でリアルタイム通信できる。

 従来、ヘリから人工衛星に電波を送信すると、プロペラが電波を周期的に遮断するため、安定した通信が不可能だった。加えて、ブレード(プロペラ)が電波を反射し、他の衛星や地上無線局に電波干渉を与える恐れがあった。

 NICTは、高速回転するブレードのわずかな隙間をぬって電波を送信する「アンテナビーム制御システム」を開発。今回、世界で始めて実証実験に成功した。

 地上からヘリと通信したい場合も、データをいったん通信衛星に送信する。衛星はヘリに対して同じデータを繰り返し送信。ヘリは、ブレードのすき間を縫って到達した電波を受信する。

 新技術は、ヘリの姿勢が変わっても人工衛星を高精度に捕捉する機能、MPEG-4(384Kbps)形式の準動画伝送機能、3次元地図を使って被災地位置を高精度に特定する機能などを備えた。

 今後は、機器の小型化やデータ伝送速度向上などをはかり、実用化につなげる。

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