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牛印PC日本再開──第一弾は「BTX」

すでに報道されているように、日本市場への再参入を表明しているゲートウェイ。米国ゲートウェイから社長兼CEOのウェイン・イノウエ氏など主要幹部が来日し、日本市場における新生ゲートウェイの方針と新製品を紹介した。

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 現在の米国ゲートウェイは、「eMachinesを買収して」コンシューマPC市場で米国第3位のポジションにいることになっているが、経営陣の顔ぶれを見ても分かるように、従来のeMachines的性格を色濃く残している。

 今回来日して、「日本市場の魅力はスキルが高く合理的な考え方をするユーザーが多いこと」と日本市場再参入の理由を述べる、社長兼CEOのウェイン・イノウエ氏は、eMachinesブランドとゲートウェイブランドのすみ分けについて、「eMachinesは、バリュークラス向けにコストを抑えたモデル。ゲートウェイは高性能で最新のテクノロジを取り入れた“プレミア”ブランド」と説明。

 デスクトップPCのラインアップはハイエンドのゲートウェイブランドとバリュークラスのeMachinesブランドが並立し、ノートPCのラインアップはハイエンドのゲートウェイブランドに収束することも明らかにした。


米国ゲートウェイ社長兼CEOのウェイン・イノウエ氏

 日本での販売は、これまでもeMachinesを扱ってきた「流通パートナー」である、石丸電気、上新電機、九十九電機、ノジマの約200店舗で行われる。コンシューマー向けに販売される予定で、企業市場については「当面考えていない」(イノウエ氏) オンライン販売については、流通パートナー主体のオンラインサイトで行われるものの、ゲートウェイ自身は「当面考えていない」と、イノウエ氏はeMachinesと同様、日本では店舗販売を重視していく考えを示した。

 日本で販売するゲートウェイブランドPCの第一弾はデスクトップPCが2モデルにノートPCが2モデル。デスクトップPCは、フォームファクタに「BTX」を取り入れた「Gateway 705JP」と、日本市場向けに新たにデザインされた省スペースPC「Gateway 600シリーズ」。どちらもIntel 915G搭載チップセットマザーをメインとしたBTOに対応。ドライバなどの工具を使うことなく、筐体内部のメンテナンス作業ができるようにデザインされている。


新生ゲートウェイ第一弾のデスクトップはBTXを取り入れたGateway 705JP(上)と容積10リットルながらPrescottコアPentium 4を搭載するGateway 6000JPシリーズ(下)

 ゲートウェイのエド・フィッシャー氏(国際担当上級副社長)は、メーカー製PCとしては初めて採用するBTXのメリットについて「特徴のあるファン、ダクト、ヒートシンクによって高い放熱効果を実現し、その結果、静音性能も向上した」と説明。筐体の前面と背面に配置した、二つの大口径ファンで作られる空気の通り道に向けて、ファンを廃止したCPUクーラーとGPUのヒートシンク、ノースブリッジヒートシンクを配置するなど、高効率な冷却機構を実現し、加えて大口径のファンを通常の40%という低速で回転させて、静音性能も向上させている。

 説明会にはインテルのケビン・セラーズ氏も登場し、「これまでのPCはスピードが求められてきたが、これからのPCはより多くのフィーチャーが求められるようになる。PCの盛り込まれる機能はCPUよりも重要」と述べ、「BTXは、いま最も求められている“静音性能”を実現し、PCベンダーの柔軟なデザインを可能にする」と新しいフォームファクタをアピールした。


インテルのケビン・セラーズ氏(取締役 マーケティング部本部 本部長)は「PCはCPUよりフィーチャーが重要」とBTXをアピール。採用するPCは2006年にATXフォームファクタを上回る、と予測する

 ノートPCは、Gateway 3538JPとGateway 4000JPシリーズのラインアップを投入。モバイル利用を意識したGateway 3538JPは14.1インチのワイド液晶ディスプレイを搭載し、重さは2.4キロ。Gateway 4000JPシリーズは15インチ液晶ディスプレイ(最大解像度は1024×768ドット)を搭載して重さが2.5キロ。どちらも、4in1メディアスロット(SDカード、メモリースティック、メモリースティックPRO、MMDカード対応)や、USB 2.0(4000JPシリーズは四つ、3538JPは三つ)、IEEE 1394などインタフェースが充実している。


ノートPCは15インチ液晶ディスプレイを搭載したGateway 4000JPシリーズ(上)とワイド14.1インチ液晶ディスプレイを搭載したGateway 3538JPシリーズ(下)。

 米国でゲートウェイが販売しているマルチメディア系PCについては、第一弾では投入しないものの、市場の反応と要求によっては日本でも販売していきたい、とイノウエ氏は述べている。

 ゲートウェイは、デルやHP、そして国内のPCメーカーとの差別化について「高い品質の製品とサポートを低価格で提供する」と、日本市場における手厚いサポート体制の確立も重視している。

 すでに、eMachines時代に18時間対応の電話サポートや、チャットを利用したQ&Aサービスなどの対話式サービスから、引き取りサービス、ユーザーによるパーツ交換プログラムなどのサポートメニューを展開していたが、ゲートウェイブランドの日本市場販売にあわせて、これまで1カ所だったテクニカルサポート拠点を2カ所に拡大し、電話サポートを24時間対応にするなど、これまでよりも充実したサービスを提供する。

 なお、2001年以前に「日本ゲートウェイ」からゲートウェイ製品を購入したユーザーに対しても、新生ゲートウェイは同様のサポートを提供することを明らかにしている。

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