ガンダムという“共通言語”のインパクト:News Weekly Access Top10(2004年12月19日−12月25日)
NRIのオタク市場調査に関する記事が先週のアクセストップだった。ガンダムやファミコンを“共通言語”として語れる世代が社会的地位を持ち始めた今だからこそ、オタクを経済的な視点から研究する必要があったという。
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「アニメやゲームが、日本経済全体に大きな影響を与え始めているのではないか」――野村総合研究所(NRI)でオタク市場調査を統括した北林謙さん(情報・通信コンサルティングニ部の副主任コンサルタント)は、あくまで個人的な見解と断った上で、アニメやゲームのオタク研究に着手したきっかけを語った。
「ガンダムやファミコンは、30代前後の男性なら誰でも一度はハマった経験を持ち、世代の共通言語化した。この世代の人たちが、会社でもある程度の役職についていて、各産業で大きな影響力を持ち始めている」(北林さん)。例えば、ガンダム好きの花王の部長が、ハロを使った芳香剤「ハロマテラピー」を商品化したことも、アニメオタクが他の産業分野に直接的な影響を与えた好例だろう。
「オタクに受ける商品を作るにはオタクになりきるしかない」と、小林孝嗣さん(情報・通信コンサルティングニ部の上級コンサルタント)は言う。オタク調査もオタク自身で行うのが最も近道のようだ。
調査は、アニメやPCなど各分野に“心得がある”研究員が担当。分野ごとのオタクの定義を決める際も、「肌感覚を最も大事にした」(小林さん)。今後は、調査分野をAV機器や旅行、ファッションなどに広げる計画だが、研究員が全員男性なため、女性メインの市場が調査しにくいのが悩みの種だという。
ところで、自称IT戦士の記者がクリスマスに向けて体を張った記事が先週6位に入った。ユーザーの方が作ってくださった「2004冬、岡田記者に線メリとどのように過ごして欲しいかのアンケート」も、大いに参考にさせていただいた。ただ来年は、IT戦士の名前は返上し、普通の女の子に戻りたいです……。
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