人気ブログの“ランキング八分”──「まりも」の場合(3/3 ページ)
Yahoo!ブログでトップ人気を誇ったあるブログがランキング上から削除された。理由は――そのブログが「エログだった」からだ。
一般論として、話題性のある人気ブログが多いほうが運営側はありがたい。面白いエピソードを高頻度で書いてくれるアイドル、タレント、有名人は、各ブログ運営側にとって「ぜひうちで書いてくれ」と勧誘の対象になる。
livedoor Blogの場合、Yahoo!ブログ同様にパトロール人員がいて、アダルト表現のあるブログや極端な宣伝行為を行うブログ、詐欺のブログなどを見つけ次第削除している。ただ、削除の基準は比較的「ゆるいとおもう」とライブドア広報も率直に認める。
「ユーザーが不快に思うかどうか、を基準にしている。あまりにひどい場合は即刻削除もあるが……多少アダルトな内容を含むブログも、『その他』カテゴリである程度容認する」
まりもさんのブログは結局、ライブドアの基準では特に取り締まりを受けなかった。このあたりは、各社の対応の違いといえる。
しかし、まりもさんはlivedoor Blogを「避難所」としての位置付けで見ていた。結局、livedoor Blogに本格的に移設する気にはならなかったという。最大の理由は、Yahoo!ブログに慣れてしまっていたことだ。
「livedoor Blogは、プラグインも充実しているし、カスタマイズすればとても見栄えもよくなる。ただ、Yahoo!ブログは初心者向けで、ユーザー同士のコミュニケーションが取りやすい。livedoor Blogは、コメントを通じて交流しにくいように感じた」
改名するも、やはり削除
コミュニティサイトで、運営側が一番苦労するのは“その雰囲気をどのように保つか”だ。女性が多いコミュニティにしたいのか、若年層も気軽に参加できるコミュニティにしたいのか。その方向性によって、ある程度意図的に特定のブログを削除することも、やむを得ない。サイト運営側として、「どこまで」という線引きを行い、このポリシーに沿って取り締まりを行うのは重要なことだ。
まりもさんも、実はその点は認めている。「Yahoo!JAPANといえば、小学生も見ているインターネットの入り口のサイト。企業としてイメージがあるだろうし、神経質にならざるを得ないのかもしれない」
ただ一連の経緯の中で、運営側の対応として、削除した複数のブロガーに対する説明責任が完全に果たされていなかったことは、指摘できるかもしれない。まりもさんの友人のあるブロガーは、こう訴える。
「Yahoo!さんのブログは、まるでクラスの友達に話しかけるような気持ちで交流が図れる、その面ではほかのブログに比べても群を抜いています。みんなこのクラスで、このYahoo!ブログという街で遊びたいんですよ。それがいきなり、『キミはこの街には合わないな』と言われて排除されたら、どんな気持ちになるでしょう。それでもこの街に住みたい。だから、何が悪いのか教えてほしい」
まりもさんは、一時「まりも」という名前を捨て去る決意をしている。「あゅ」というハンドルネームに変え、アダルト色もきれいに排除し、心機一転ブログを立ち上げようとした。
しかし、そのブログも3日でランキング削除されてしまった。
「貴殿の公開されるブログ内において、一部サービス規定に反する内容が掲載されていることが確認されたため」
運営側からのメールに記された削除理由に、まりもさんは今も納得できずにいる。
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