「ココログ」開発者、はてなへ:連載:変な会社で働く変な人(2)(3/3 ページ)
プログラミング歴は幼稚園から。ニフティという大企業を飛び出したマイコン少年は、「はてな」で自由に泳ぎ出す。
ネットゲームにハマり、いかに高スペックなPCを低予算で組むかに血道をあげていた大学時代の経験は、手作りサーバの低予算化やメンテナンスに役立った。BASICからUNIXまでの基礎知識も、大学からプログラミングを始め、基礎を飛び越えて来た近藤社長を助けた。ニフティ時代に培ったWebサービスやPerlの知識は、はてなのサービスにそのまま生きた。CTO伊藤直也は、はてなという会社のすき間に、ぴったりとはまりこんだ。
はてなブックマーク、はてなWebサービス、はてなアンテナ、はてなダイアリー──入社して1年も経っていないが、たくさんのサービスに関わってきた。発案から数日後にはサービスインするスピード感に、手応えを感じる毎日。仕事が楽しいから、家に帰ってプログラミングに精を出すこともない。「人を驚かせるサービスを作りたい」――そんな夢を形にする。
「本当に、変な会社ですよ」――伊藤さんは真顔で語る。IT系なのにタスク管理は紙とボール箱だし、20万人以上のサービスを支えるサーバはすべて手作りだし、社長は突然「合宿行かへん?」とか言い出すし……。
「他がやっていないことをしているから変と言われるけど、当たり前のことを当たり前にやっているだけ」。タスク管理を紙でするのは、それが効率がいいから。サーバだって手作りなら安く上がるし、管理もしやすい。開発合宿は、会社ではなかなか発想できない新サービスを発想し、集中して開発するベストの手法だ。
でもさすがに、朝のミーティングで、社長が突然カタコトの英語でしゃべり出した時には辞めようかと思った。海外進出を目指すはてな。何か動き出さないと――その気持ちを形にしたら、英語になったようだった。行くべき場所があるなら、そこに向かって1歩でも2歩でも進むのが近藤社長。おかしいとか恥ずかしいとか、そんな感覚はない。今では伊藤さんも毎朝、カタコトの英語で同僚と話す。
変な会社を引っ張る変な社長が、伊藤さんを魅了する。「彼についていくと、何かいいことがありそうな気がするんです」
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