「“デジタルデフレ”で年後半も厳しい」──JEITA会長
デジタル製品の急速な価格下落が部品メーカーなどにも影響を及ぼす“デジタルデフレ”が続き、エレクトロニクス業界は今年後半も厳しい状況が続く。
電子情報技術産業協会(JEITA)の岡村正会長(東芝会長)は9月14日の定例会見で、最終製品の価格下落が急速に進んでいる「デジタルデフレ」が部品メーカーなどにも影響が広がり、エレクトロニクス業界は今年後半も厳しい状況が続く、との認識を示した。
薄型テレビやDVDレコーダーなどのデジタル家電市場が2けたの伸びを見せる一方、競争の激化から予想を超えるペースで価格下落が進んでいる。最終製品の急速な値下がりの影響は半導体メーカーや部品メーカーにも及び、岡村会長は「負の影響が連鎖している」と指摘する。
市場が拡大する一方で利益が出ない状況が続いており、エレクトロニクス業界の本格的な回復にはつながっていないとの認識だ。「ビジネス環境が健全ではない。日本が先行してきたデジタル家電市場の成長をどう持続させていくか考える必要がある」
ただ、「情報家電の将来を考えると、市場はまだ入り口に立ったばかり」とし、「現在の状況は導入期に見られる現象の1つだろう。いつまでも続くと思ってはおらず、いずれ正常に戻るだろう」と話し、市場をどう育てていくか、メーカーそれぞれが考えていくべきだと指摘した。
見直しの検討が進んでいる私的録音録画補償金については、課金対象拡大に反対の立場から「権利者の保護をどう行うべきかの議論であって、金を取る取らないの議論ではないと考えている。曲を買った人が権利者に払うのが本来の姿であり、ネット上で行われる課金の安全性を権利者側に理解してもらえるよう努力していく」と述べた。
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