GoogleにならったMSのWebソフトサービス(2/2 ページ)
Microsoftの「サービスとしてのソフト」戦略では、広告収入でまかなう無料サービスも提供する。これはGoogleにならったやり方だ。(IDG)
Googleは、どうすればオンライン広告を大きな収益チャンスにできるかを実証したとオジー氏は認めた。
「Googleは、この広告エンジンを成功させることにおいて驚くほどの功績を上げた」とオジー氏は語りつつも、Googleはオンライン広告からどのくらいの売上が得られるかの一端を示したにすぎず、Microsoftはオンライン広告収入を大々的に活かすつもりだと述べた。
「当社は現在、オンライン広告市場で10%のシェアを持っている」とオジー氏。「市場そのものが成長する中で、当社は革新と提携を通じてこのシェアを拡大したい意向だ」
Microsoftがオンライン広告収入を拡大するために計画している主な方法は、オンライン広告販売システム「AdCenter」だ。同社はモバイルデバイスやLive Softwareサービスなど多数の製品とサービスに、AdCenterをエンジンとして組み込むという。AdCenterは既にフランスとシンガポールで稼働しており、米国では最近、テスト版が立ち上げられた。
ゲイツ氏は1日のプレゼンテーションで、Live Softwareは多くのデバイスと連係し、ユーザーデータとサービスの携行性をより高めるソフトだと説明した。そうなれば、ユーザーは利用するデバイス1台1台で個人情報やサービスを同期化したり、リロードする必要はなく、いつでも必要なものにアクセスできると同氏は語った。
「Live Softwareの重要な方針の1つは、多くのデバイスと連係することにある」とゲイツ氏。「以前のようにデバイスを中心にし、ユーザーにデータを移動させるのではなく、本日発表したソフトは、ユーザーが望むことを覚えていて、ユーザーがいずれかのデバイスに現れたら、どのデバイスにでもサービスが届けられる」
ゲイツ氏が掲げたビジョンは、Sun Microsystemsが以前から描いていた「the-network-is-the-computer」ビジョンと似ているように思える。Sunのビジョンは、多数のデバイスをインターネットに接続して、ユーザーがさまざまなデバイスからWebにアクセスしたときにサービスを提供するというもの。
実際、ソフトをホスティング型サービスとしてネットワーク経由で提供するのはほとんど目新しいことではない。1990年代後半のインターネットブーム時に、アプリケーションサービスプロバイダー(ASP)はこの戦略を活用していた。現在はSalesforce.comなどの企業がホスティング型サービスを提供を中心にした完全なビジネスモデルを有している。
ゲイツ氏は、Microsoftが1999年からソフトをサービスとして提供する実現可能な方法を見つけようとしてきたことを認めた。同社は、オンラインでWebカンファレンスを提供するLiveMeeting、オンラインゲームサービスXbox Live、パッチやアップデートをダウンロード提供するアップデートサービスなどのサービスで、徐々にこの方向に進んできたと同氏。
業界が再びホスティング型サービスを受け入れる態勢ができたのは、ブロードバンドの普及や、従来よりも低価格でこの種のサービスに必要なネットワーキングを提供できる強力な64ビットコモディティハードなど、技術の進歩のおかげだ。
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