「ラジオの立ち位置強化したい」――文化放送がネット新事業
音楽ライブをネットストリーミングやVODで配信する事業を、文化放送が始めた。ラジオ放送区域外のユーザーにもリーチを拡大し、ラジオ局の存在感を強める狙い。
文化放送は、音楽ライブの映像や音声を、ネットのビデオ・オン・デマンドやラジオ、DVDなど多様な形式で発信する新事業「雷電」を発表した。
ラジオ局のキャスティング力や番組製作力を生かし、「慢性的なコンテンツ不足」(同社の三木明博常務)にあるネットにコンテンツを供給することで、ラジオ局の立ち位置を強化していく狙い。「ラジオが直面している問題はいくつもある。リーチの拡大もその1つ」(同)とし、ネットを使えば世界のユーザーにリーチできると期待する。
第1弾として、女性バンド「SHOW-YA」の復活ライブの配信を始めた。11月3日に、音声ストリーミングとラジオで同時配信したほか、11月11日から17日にかけて、提携ISPでライブ映像の一部をビデオ・オン・デマンド(VOD)配信。12月21日にはライブDVDを発売する。
提携ISPは、VODコンテンツ設置スペースを無償提供すれば、コンテンツを無料配信できる。電力系を中心にしたISP団体「BBit-Japan」の33社とOCNなど計36のISPと提携しており、提携先は今後も増やす。
ライブのスポンサーやアーティストは、多様な媒体にコンテンツを一斉発信できるメリットがある。SHOW-YAの寺田恵子さんは「SYOW-YAはデビューから20年。ファンの年齢層も上がり、子育て中でライブに来られない人もいる」とし、ネット配信やDVD化によって、ライブに行けない人にも楽しんでもらえると期待を語った。
当初は音楽ライブを年4回のペースで発信するが、今後は映画やアニメなども配信していく計画だ。
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