10日間でなんとも変わるものだ。今月初めには、AOLはGoogleとの昔からの関係を捨て、MSN Searchを採用することでMicrosoftとくっつきそうに見えたものだ。この時、大金が動くことはないだろうと噂されていた。
しかし、莫大な――10億ドルもの――金がGoogleからTime Warnerに渡されようとしている。その見返りに、GoogleはAOL株の5%を手に入れ、両社間の広告販売提携を拡大し、スティーブ・バルマー氏に向けて中指を立てる権利を手に入れる。
この取引で、Googleは面目を保つことになるが、最終的には破滅につながる種をまくことになるかもしれない。どうしてかって? ではまずStarbucksの話をしてからGoogleとAOLの話に戻るとしよう。
わたしはStarbucksが食料品店よりもうまいコーヒーを売ることを目指していた時のことを覚えている。コーヒー豆は包装されておらず、Starbucksは、うまいコーヒー豆は数が限られており、それは彼らの手にあると仰々しく宣伝していた。
彼らはそういうことをあまり言わなくなった。おそらく、手に入るうまい豆よりも多くのコーヒーを売っているからだろう。
Starbucksでは多くの変化が起きた。あまりコーヒーに重点を置かなくなり、近所のたまり場として位置付けを変えた。
曲がり角ごとにある(ように見える)バーと比べると、わたしはStarbucksの方が好きだ。だが、今よりも十数年前の方がずっとStarbucksが好きだった。
Starbucksは変わり、顧客として、わたしは彼らから遠ざかった。しかし、(会長の)ハワード・シュルツ氏はそれを乗り越えたと思う。
それがGoogleと何の関係があるのかって? そう、GoogleはAOLとの取引の結果、変わってしまうかもしれない。
Googleは初め、検索結果を中心に持ってきて、検索広告を基本的に必要悪として扱った簡素なインタフェースでユーザーを魅了した。
Googleの検索結果ページにはますます多くの広告が忍び込んできており、無料の検索結果よりも検索広告の方が多く見えることもある。
もちろんこれは検索キーワードにもよるが、この変化はかなり目立つ。これからもっとそうなっていくだろう。
報道を信じるなら、もうすぐWebブラウザには、AOLが販売した画像付きGoogle広告がやってくる。
San Jose Mercury Newsの記事には次のようなことが書かれている。「両社の提携は、Googleの検索エンジンを使う人々に新しい体験の到来を告げるだろう。AOLはGoogle検索エンジンに画像付き広告を掲載できるようになるからだ。これまで、Googleの検索エンジンには画像広告はなかった」
これだけでは大したことではないだろうが、最初にわたしたちの多くを魅了したものから、Googleはまた一歩離れることになる。
これはたぶん、「Googleよりも優れたGoogle」になろうとしている資金豊富な企業にとってはチャンスでもある。それをやってのけるのはどこの企業だろうか?
関連記事
- GoogleがAOLと独占交渉、株式の5%取得か――米紙報道
Wall Street Journalによると、GoogleとAOLが広告関連の提携について独占交渉を行っており、GoogleはAOL株式の5%を10億ドルで取得する構えだ。(IDG)
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.