Seagate、1.8インチHDDに参入か
Seagateが1.8インチHDDに近く参入する可能性がある。東芝と日立GSTが展開する同市場には富士通も新規参入を計画しているが、HDD世界最大手の登場で競争が激化しそうだ。
米Seagate Technologyが1.8インチHDDに参入する可能性がある。同社幹部が3月10日、近い将来に製品を発表するかもしれないことを示唆した。
1.8インチHDDはApple Computerの「iPod」などのモバイル機器に搭載されており、大容量化が進めば一般的なノートPCなどにも採用が拡大すると予想されている。現在は東芝と日立グローバルストレージテクノロジーズが生産しているが、富士通が2007年度前半に新規参入する計画を明らかにしている(関連記事参照)。HDD世界最大手のSeagateが参入すれば競争が激化しそうだ。
Seagateグローバルコンシューマーエレクトロニクスマーケティングディレクターのロブ・ペイト氏は「1.8インチは成長市場であり、研究・開発への投資はしている。将来何か発表できるかもしれない」と話した。参入時期など詳細については明言しなかった。
東芝が携帯電話への搭載を始めた0.85インチHDDは「サイズが小さいため、フラッシュメモリに容量で追いつかれるだろう」(ペイト氏)とし、参入計画はないとした。
Seagateは現在、モバイル向けには1インチHDDを展開しており、ペイト氏によると1インチHDD市場での同社シェアは45%。CreativeやiRiverなどが携帯プレーヤーに採用している。
ペイト氏はこの日、垂直磁気記録方式を採用して12Gバイトに大容量化した1インチHDD「ST1.3」を国内発表した(関連記事参照)。従来比で容量が倍増しているが、コンパクトフラッシュ(CF)コネクタをZIFに変更するなどし、40×30×5ミリと現行モデルから23%小型化。消費電力も30%削減した。今年第3四半期に量産出荷を始める計画だ。
調査会社のParks Associatesによると、HDDを搭載したモバイル機器の世界市場規模は2006年には3500万台だが、2010年にはほぼ倍増する見通し。うち携帯電話が4割を占めると予想し、動画などリッチコンテンツ配信の拡大がHDD携帯の普及を後押ししそうだ。ペイト氏は「CE-ATA(携帯機器用HDDインタフェース)の規格が固まる来年以降、HDD搭載携帯電話が大量に登場するだろう」と見ている。
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