「Ultra-Mobile PC」に居場所はあるか?(2/2 ページ)
Microsoftが打ち出した「Origami」という新しいデバイス分野の創出には、ほかと一線を画す「価格」と「機能性」が必要だ。
システムの印象
ほんの数分しか見る時間がなかった。スタイラスが採用され、バッテリー駆動時間は2〜3時間。パラシュートカーゴパンツなどの大型ポケットにフィットする大きさだ。
今回披露されたシステムはWi-FiとBluetoothワイヤレス規格に対応し、キーボードなどを接続できるUSBポートが2つある。搭載OSはWindows XP。
Intelの記者会見で披露されたシステムの1つはフリーズしてしまったが、そのほかはスタイラスに敏速に反応していた。1メートルの落下耐久テストをしたら致命的だろうとの印象を受けたが、確かではない。PCのOEMレベルではクールかもしれないが、つまりインダストリアルデザインとしてはなかなかの出来栄えだが、Appleと同じリーグでプレイできるレベルではない。
今後求められるのは、より長いバッテリー駆動時間、耐久性の証明、常時接続のコンピュータ体験に向けた多くの接続オプションだろう。価格帯は500ドルを上回るようだが、フル機能搭載のノートPCがこの価格帯に近づいているため、高く感じる。
法人バイヤー
さて、UMPCはコンシューマーだけに向けた製品なのだろうか? グラフ氏によれば「そうとは限らない」。UMPCはモバイルナレッジワーカー(モバイル知的労働者)が携行するデバイスとして、またタッチパッドによる入力やより小さなフォームファクターが重視される垂直産業で有用だという。
UMPCの課題は次の3つの分野に分けられる。
- ノートPCの代替製品となる魅力的な価格帯
- 携帯電話やPDAを使用せずに済むフル機能のコンピューティングおよびブラウザ体験を提供するソフトウェアの開発
- そうした「フルブラウザ体験」に向けた常時接続体験を提供できる通信技術の改善
そしてこれらの実現には、多くの技術、マーケティング、アプリケーション開発を要するだろう。
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