セイコーエプソンが4月25日発表した2006年3月期連結決算は、純損益が179億1600万円の損失(前期は556億8800万円の利益)だった。3月発表の新中期計画を軌道に乗せ、今期は純利益140億円を見込む。
売上高は1兆5495億6800万円(前期比4.7%増)、営業利益は257億5700万円(同71.7%減)、経常益は279億8600万円(同67.2%減)。
電子デバイス事業の赤字転落やインクジェットプリンタの減益などを受け、構造改革費用として損失455億円を計上し、最終赤字に転落した。
情報関連機器事業では、プロジェクターとプロジェクションテレビは数量増で増収。インクジェットプリンタは単機能型が数量減となったが、複合機と消耗品は数量増で増収に。レーザープリンタも消耗品が堅調だった。スキャナーとPCは数量減で減収だった。全体では売上高が9764億4200万円(同3.2%増)、営業益は450億2000万円(同26.9%減)だった。
電子デバイス事業では、ディスプレイ事業は増収だったが、システムLSIと液晶ドライバの不振で半導体が大幅減収に。全体では売上高5269億6600万円(同9.2%増)に対し、営業損益は97億5900万円の損失(前期は385億5300万円の利益)に陥った。
今期連結業績予想は、売上高が1兆5550億円、営業利益と経常益が各400億円、純利益が140億円。
経営陣の責任を明確化するため、役員退職慰労金を6月で廃止し、株価連動型の報酬制度を導入する。
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