大日本印刷は5月12日、手のひら静脈認証と指静脈認証の両方に対応した初のICキャッシュカードを開発したと発表した。両方式は金融機関のATMで採用が進んでいるが、互換性がないのが課題だった。新カードはどちらの方式でも使えるのが特徴で、複数の金融機関が採用を決めているという。
3月末に全銀協の標準仕様が改訂され、1枚のカードに複数方式を搭載することが仕様化されたのを受け、新仕様に準拠して開発した。指静脈と手のひら静脈の両方を登録しておけば、どちらかの方式に対応しているATMで生体認証機能を利用できる。
非接触型にも対応できるほか、ワンタイムパスワード生成機能の追加なども可能。
指静脈認証は日立製作所が推進し、三井住友銀行などが導入。富士通がおす手のひら静脈認証は三菱東京UFJ銀行などが採用している。DNPは約100の金融機関からICキャッシュカードを受注しており、新カードで今後3年間に50億円の売り上げを見込む。
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富士通が小型の手のひら静脈認証装置を発売し、今後3年間で売り上げ800億円の事業に育てる計画を明らかにした。指静脈認証を展開する日立も3年間で1000億円を目指しており、両社の競争が活発化しそうだ。
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