Windows Vistaに搭載される「メイリオ」は、Sans-Serif(角ゴシック)の新フォントだ。米Microsoftが開発したフォントのスムージング技術「ClearType」に対応し、特に液晶ディスプレイで可読性が高まっている上、デザインとバランスの良さから画面上でも印刷でも「明瞭」で読みやすいという。
同フォントのデザインは、デザイナーの河野英一氏、マシュー・カーター氏、フォント制作会社のC&G(東京都新宿区、坂本達社長)が担当した。
河野氏は英国在住。ロンドン地下鉄の駅名などで使われている著名なSans-Serif書体をリデザインした「New Johnson」で知られる。米MicrosoftのART(先端可読性技術開発グループ)は2002年4月に河野氏を迎え、Vistaに搭載する新日本語フォントのリサーチを開始した。
河野氏は、読みやすいオンスクリーンフォントとして評価が高い「Verdana」をデザインしたカーター氏に「強化版Verdana」としてメイリオの欧文文字作成を依頼した。高品位な漢字フォント作成技術を持つC&Gは、4万字以上の和文文字を15カ月で作成。メイリオが完成したのは、リサーチを始めてから2年後の2004年3月だった。
名前は日本語の「明瞭」から付けた。フォント制作に取り組んだ国際チームのスタッフの発音が「メイリオ」に聞こえるのに加え、「メイがいい響きだし、リオはエキゾチック。それに『メイリョウ』より1文字減らせる」(河野氏)
今後、明朝体にもぜひ取り組みたいという。四角のドットで構成されているPCディスプレイの特性上、Sans-Serif系フォントのほうがClearTypeも適用しやすい。だが河野氏は「Serif系にもClearTypeを使えると考えており、VerdanaのSerif版『Georgia』に合わせてぜひ明朝体も作りたい」と話している。
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