二極化PC市場でVAIOが目指す「高付加価値」 Blu-rayノートや超小型機も
PCのコモディティー化が進む中、「所有し、使うことに喜びが感じられる商品」というコンセプトを打ち出すソニー。「VAIO」シリーズ新製品として、Blu-ray Discドライブを内蔵したノートPCや、文庫本サイズの超小型PCなどを発表した。
ソニーは5月16日、PC「VAIO」シリーズ新製品として、業界で初めてBlu-ray Disc(BD)ドライブを内蔵したノートPCや、文庫本サイズの超小型PCなどを発表した。PCのコモディティー(日用品)化が進む中、「所有し、使うことに喜びが感じられる商品」というコンセプトを打ち出す。機能・デザイン両面で高付加価値を追求し、製品力を高めて価格下落に対抗していく。
新製品は、ハイエンドノート「VAIO type A」にBDドライブを搭載したモデルや、従来の「VAIO type R」きょう体にBDドライブを搭載したモデル、キーボードを内蔵した超小型ノート「VAIO type U」など(関連記事参照)。
type Aは、VAIOノートとして初めて地上波デジタルチューナーを内蔵。17インチ、1920×1200ピクセル(WUXGA)のディスプレイを搭載し、フルHD再生に対応した。デモではHDMI端子を液晶テレビ「BRAVIA」に接続したり、HD対応DVカメラと並べて展示。HD画像をそのまま扱える利便性をアピールする。「ソニーのHD商品の中心にすえたい」(担当者)
type U。マイクロソフトが展開する「Ultra-Mobile PC」(UMPC、Origami)と似たコンセプトの商品だが「似ていたのはたまたま。Origamiの善し悪しを言うつもりはない」(石田事業部門長)
2年ぶりに登場したVAIO type U新機種は、スライド式キーボードを装備したWindows XP機。重さは520グラムと軽量に抑えた。液晶タッチパネルを装備し、スタイラスで操作できる。バッテリー駆動時間は3時間半。
通常のWindows画面と簡易操作画面をボタン1つで切り替えられ、簡易操作画面からは音楽再生や内蔵カメラによる撮影、ゲーム「脳を鍛える」シリーズのプレイ、Skypeと無線LANを使った音声通話などがワンクリック起動できる。ビジネスからエンターテインメントまで1台でカバーできる端末として売り込む。
それぞれオープン価格だが、実売予想価格は価格はtype AのBD搭載型が40万円前後、type RのBD搭載&液晶ディスプレイ付属型が44万円前後、type Uが17万円前後。
同社の石田佳久VAIO事業部門長は、「PCのニーズは今後、高付加価値を求める層と、ネットとメールだけできればいい、という層に二極化する」と予測。「安ければいい、使えればいい、だけで、満足してもらえるかどうかは疑問」とし、同社は高付加価値品に注力していくと語った。
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