Web2.0は誰のもの? ネットで論争
「Web2.0」の商標登録を出願している企業が、Web2.0カンファレンスを計画している団体にWeb2.0という言葉を使わないよう要求、批判を浴びている。
「Web2.0は誰のものか」をめぐり、ネットで論争が起きている。
事の発端は先週、O'Reilly Media――Web2.0の提唱者ティム・オライリー氏の会社――とイベントを共催している出版社CMP Mediaが、Web2.0カンファレンスの開催を予定しているアイルランドの非営利団体IT@Corkに、カンファレンスの名称に「Web2.0」という言葉を使わないよう弁護士を通じて要請したことにある。
CMP Mediaは過去2回「Web2.0 Conference」を開催しており、米国およびEU(欧州連合)で「Web2.0」をカンファレンスのタイトルとして使うための商標登録を出願している(日本でもCMP子会社のメディアライブジャパンがWeb2.0を商標登録出願している)。許可なくこの商標を使えば、CMPの独占権を侵害することになると同社はIT@Corkに書簡で通達した。
IT@Corkのメンバーであるトム・ラフテリー氏がこの書簡をブログで公開すると、CMPやO'Reillyを批判するコメントが多数寄せられた。
CMPはその後態度をやや軟化させ、IT@Corkのカンファレンスの開催日が6月8日と差し迫っていることから、今年のカンファレンスに関してはWeb2.0の使用を認めると伝えた。またO'Reillyは公式ブログで、事前の話し合いなしで突然弁護士からの書簡を送ったことを謝罪した。
だが両社は次からはWeb2.0の商標を使わないようIT@Corkに要求し、今後Web2.0の名を冠したイベントを開かないと約束する文書にサインするよう求めたという。
O'ReillyはIT@Corkのメンバーと会談して問題は解決したと主張し、同社の商標出願はあくまでもカンファレンスやトレードショウなどのライブイベントのタイトルに関するものだと強調している。だが同社のブログには「次はAjaxカンファレンスの商標を登録するのか?」「たとえカンファレンスに関連するものでも、この商標出願はばかげている」などの批判のコメントが今も寄せられている。
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