子供のネット利用の責任は保護者に――米調査
インターネットの利用についての知識に自信がないとしつつも、ネットの有用性を前向きにとらえ、何らかのアクションを取ろうとする保護者の姿が浮かび上がった。
子供のインターネット利用の安全性については9割の保護者が責任を感じているものの、その大部分は、子供を正しく指導する自信がない――米Cable in the Classroomが行った調査で、こんな実態が明らかになった。
8〜18歳の子供の保護者を対象に7月に米国で行われたこの調査によると、親は子供のインターネット教育の安全性に責任を持つべき、との回答は90%以上に上ったが、ネットの使用について子供を教育できるだけの「知識に自信がある」と答えたのはわずか34%だった。一方、71%が子供のネット利用の安全性には「学校にも責任がある」と答えており、Cable in the Classroomのシニアディレクター、ダグラス・レビン氏は、「ネットの世界が絶えず進化している状況で、多くの親が子供を指導できるだけの知識に自信が持てず、学校に助けを求めているようだ」と分析する。
調査では、94%がネット使用について子供と話し合ったり、使う場所や時間を制限するなどのアクションを取っていることも判明。54%がほかの保護者に、42%が学校にアドバイスを求めたことがあるという。また、子供のネット使用の安全性への責任が「政府や司法当局にある」との回答は49%との結果も出ており、レビン氏は、「ほとんどの親がインターネットを前向きにとらえた上で、その有効活用のために自らアクションを取っている」と見る。
Cable in the Classroomでは保護者に対し、「ルールを決める」「ペアレンタルコントロール機能を使う」「メディアリテラシーを子供に教え込むようにする」の3段階アプローチを勧めている。その他のアドバイスや関係調査はWebサイトで入手できる。
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