世界プラズマテレビ市場では松下電器産業が1人勝ち、大画面への需要が高い北米が市場をリード――ディスプレイ関連調査会社の米DisplaySearchが、2006年第2四半期の調査報告を8月24日に発表した。
プラズマテレビ市場に関するこの調査は、同社が毎四半期行っている、全世界のテレビ出荷調査の一環。30ブランドのプラズマテレビを対象に、ブランド別、地域別、サイズ別、解像度別に出荷実績を調べた。
これによると、2006年第2四半期のプラズマテレビの全世界出荷台数は、前年同期比95%、第1四半期に対しては30%増加して220万台となった。テレビ市場全体に占めるプラズマテレビ比率も、第1四半期の4%から5%に伸びている。特に北米地域が好調で、プラズマテレビ出荷の地域別シェアでは、欧州を抜いて34%で首位に立った。北米では大画面テレビへの需要が高く、50インチ以上の大画面の出荷台数では北米が63%を占めている。中型/小型サイズのテレビ市場で液晶テレビがプラズマ、リアプロテレビのシェアを奪う中、北米はプラズマテレビ販売の重要な地域となる、とDisplaySearchでは見ている。
出荷額ベースでは、前年同期比57%、第1四半期対比で23%増の49億ドルで、出荷台数の伸びを下回る。価格低下の影響が、画面サイズの拡大を上回った結果と見られる。
画面サイズ別では、出荷台数が最も多いのは42〜43インチだが、画面サイズ別シェアは第1四半期の78%から73%に下がった。一方、50インチ以上のシェアが伸びており、これに伴い、プラズマテレビの平均サイズは43.4インチから43.7インチに拡大した。高精細(HD)対応テレビの価格が下がっていることにより、プラズマテレビに占めるHD対応比率も伸びており、第1四半期の56%から70%となっている。
ブランド別では、松下が8四半期連続で首位をキープ。第1四半期の22%から28%へと、さらにシェアを拡大している。2位以下はLG電子、Samsung、Philips/Magnavox、日立と続き、いずれも出荷台数を10%〜25%程度伸ばしているものの、首位の松下の出荷台数の伸びが71%と、各社を大幅に上回っているため、2位以下のシェアは減少している。
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