米国で毎年開かれている世界最大級のゲームイベントElectronic Entertainment Expo(E3)が来年から規模を大幅に縮小すると表明したことについて、スクウェア・エニックスの和田洋一社長は8月29日、「E3縮小後、ゲーム業界の精神的求心力は東京が持つべき、と産業界(ゲーム業界)では考えている。東京ゲームショウを世界のゲームの発信源にしたい」と語った。
同日東京大学で開かれた、経済産業省の報告書「ゲーム産業戦略 〜ゲーム産業の発展と未来像〜」の説明会で、記者の質問に答えて言及した。
経産省は、東京ゲームショウと東京国際映画祭、東京国際アニメフェアなどコンテンツ関連のイベントを秋の一定期間内にまとめて行い、日本のコンテンツの海外発信力を高めることを目的とした「国際コンテンツカーニバル」構想を表明している。和田社長はこの構想に賛同しており、「コンテンツカーニバル化で、ゲーム業界のプレゼンスを高めることができる」と期待を語った。
コンテンツカーニバルの時期や開催地などは未定という。同席した経産省文化情報関連産業課の小糸正樹課長も「具体的にどう作るかは、二階俊博大臣が検討中」とし、詳細は明らかにしなかった。
関連記事
- ゲーム展示会E3Expo、規模縮小へ
来年のE3Expoはこれまでのような大規模なトレードショウではなく、プレスイベントや業界関係者の交流に焦点を当てる。 - 東京ゲームショウ、来年より「国際コンテンツカーニバル」に統合か
一部報道機関で報じられたとおり、経済産業省の主導で、東京ゲームショウおよび東京国際映画祭、東京国際アニメフェアといったイベントを総合的にとりまとめ、「国際コンテンツカーニバル」として開催する方向であることが明らかになった。 - “国策”としてのゲーム産業 政府が初の報告書
国内では市場縮小で苦戦しているゲーム産業だが、コンテンツ立国を目指す政府にとっては重要な“資源”だ。「ゲーム脳」などマイナスイメージと産学官連携で向き合いながら、輸出産業として育てていく。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.