デイリーポータルZ進化論(3/3 ページ)
Web2.0もどこ吹く風。「ロングテール」と聞けば動物園に出かけ、動物のしっぽの長さを測り出す。日常の疑問や愚問に正面からぶつかる@niftyの「デイリーポータルZ」は、今日もHTML手打ちでじんわりと更新中だ。
林 「デイリーポータルZ」という名に変わった時に「キャラクターがいた方がいい」と考えて作りました。ネコとかアザラシとかいろいろ考えたんだけれど、一番かわいくないヒトにした。あんまり“狙ってる”感じがないのがいいかな、と。
古賀 Zくんもぐっとかわいくなりましたよね。最初怖かったのに。
林 気持ち悪い絵のほうが人の琴線に触れるかな、と思って。スポンジ・ボブみたいに。でも描き続けると、かわいくなっちゃった。
古賀 当初は裸だったけど服も着ましたしね。
林 (人がかぶれる)Zくんの頭を作ってぼくがかぶった時に、Zくんが裸のままだと「お前も裸になれ」といつか言われると思ったから、服着せたんですよ。
――今年、「おとまりセット」「文房具セット」と、Zくんのイラスト入りグッズを発売しました。
林 おとまりセットは、ぼくが「やりたい」と。
古賀 「おとまりセットにポーチを付けて売る!」と林さんが主張して。コフレ(ポーチ入り化粧品セット)って、ポーチが付いてて、予約が殺到するって林さんが聞いてきて、「うちもポーチだ!」と。
林 そういう断片的な情報で決めた。
古賀 おとまりセットともう1つ何か、というのことで、文具セットにしました。ビニールシート+お弁当箱のピクニックセットとか、キャンプセットとか、いろんなセットを考えたんですが。
――7月にはトランプも発売しました。
古賀 次はキャラクターじゃなくて、記事の写真を使ったグッズを作りたかったんです。最初は写真入り缶バッチの30個セット、とか言ってましたよね。
林 缶バッチっていっぱいあるとうれしいかなと思って。毎月100個ぐらいの缶バッチができる、と。
古賀 そんな時ライターの大塚幸代さんが「トランプだ」ってぽろっと言って。そのまま決まりました。
――Tシャツも販売してますが、通販ページがすごいですね。怪しい通販サイト風だったり、「高橋メソッド」風だったり……。
林 物を売ってる照れくささがあるんで、ちょっと面白くしないと、本気だと思われる。冗談なんで面白くないと恥ずかしくて。
――次に作りたいグッズは?
古賀 ホワイトバンドです
――なぜ今更!?
林 意外に原価安かったから。あと、役立たないものを作りたかったんで。「ホワイトバンドでデイリーポータルを救うんだ!」っていう感じです。
古賀 24時間テレビですね。セイブアワーデイリーポータル。
「友の会」の会報を
――グッズを買うと、ライターさんが手書きした紙のしおりが付いてきますね。とってもアナログな感じの。
林 「友の会」の会報みたいなのを作りたかったんです。同僚の女性がフリーペーパーを作ってて「いいな」と思って。せっかくモノが届くんで、一緒に会報が届く、という幸せな関係ができればいいな、と。
――今後の展望は。
林 9月1日から新コーナー「クラブ活動」が始まります。ライターが1人テーマを決めて、1カ月間毎日同じものの写真を撮り続けるという。
個人サイトで毎日メロンパン食べてる人とか、蛇口を集めている人とかいるじゃないですか。あれを今さらやろうかなと。1枚だと面白くないんだけどいっぱいあるとじわじわおかしい、というのがやってみたくて。
古賀 まず「でかいもの」「父のだじゃれ、花の写真を添えて」「共食いキャラクター」をやります。共食いキャラは、肉屋の看板で豚肉が踊ってたり、魚屋の看板で魚が踊ってたりする。
林 あとぼくが「席がない」を。社員食堂で席を探していたらいつのまにか遠くまで来ちゃった、というストーリーで、ぼくが社員食堂のトレイを持っていろんなところに立ってる。
古賀 海辺とか。
林 ――というロードムービー風のコーナーです。
今後の目標は特にないですが、このコーナーを見て、毎日同じことをやるのが得意なライターの人が入ってくれるといいなぁ。
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