BSA、国立大学の違法コピーソフト点検を支援
BSAは、国立大学による自主的なソフト点検・確認を支援するプロジェクトをこのほど始めた。ソフト管理ツールを提供するほか、期間中に違法コピーが発見された場合は法的責任が免除される制度を取り入れる。
ビジネスソフトウェアアライアンス(BSA)は、国立大学による自主的なソフト点検・確認を支援するプロジェクトをこのほど始めた。大学に対してソフト管理ツールを提供するほか、期間中にソフトの違法コピーが発見された場合は、法的責任が免除される制度を取り入れる。
BSAが業界別に行っている、ソフトの棚卸支援活動の一環。参加登録を9月30日まで受け付け、プロジェクトは11月30日まで展開する。
登録すると、ソフト資産管理ツールを一定期間無償で提供するほか、ソフト管理のための点検・確認の方法などをWebサイトやセミナーを通じて紹介する。調査を通じて、BSAメンバーのソフトの違法コピー品が発見された場合は、期間中なら法的責任が免除される。
大学は、組織がフラットで人の出入りが多いといった企業と異なる特徴があり、ソフトの一元的な管理が難しかった。BSAの窓口に寄せられた違法コピー情報をもとに大学に点検・管理を求めても、大学の自治などを根拠に拒否されることもあったという。
こういった事態を受け、BSAは今年2月、文部科学省に対して、国立大学のソフト管理を支援する旨を申し出た。同省は2月16日、全国の国立大学学長あてに、ソフトの点検確認や管理、教職員・学生へ啓蒙活動などを明記した「コンピュータソフトウェアの適正な管理の徹底について」とする通知を出した。BSAはこれに賛同し、支援プロジェクトを企画してきたという。
また、今年1〜6月にBSAに寄せられた、組織内違法コピーの通報件数が、前年同期比33件増の179件にのぼったと発表した。「コンプライアンス活動が盛んになったことが背景にある」とBSAの今泉寛・日本事務局長は分析している。
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