連載
松山はおサイフケータイ先進都市――写真で見る「ICい〜カード」 :モバイルSuicaより進んでる?: (3/3 ページ)
おサイフケータイ1つで、電車にもバスにも路面電車にもタクシーにも乗れ、デパートやコンビニで買い物もできる……交通乗車券からスタートし、普及が進む松山市の“地域密着型ICマネー”ICい〜カードを写真で紹介する。
またユニークなところでは、昨年は対応していなかった観光列車「坊ちゃん列車」がICい〜カードに対応していた。路面電車やタクシーは支払機にリーダー/ライターを内蔵するタイプだが、坊ちゃん列車はタクシーと同じハンディターミナル型だ。一方、昨年のサービス開始当初から対応しているバスと路面電車は、運賃箱への据え置きタイプであり、筆者が滞在中に見るかぎりでも多くの乗客が利用していた。サービスとして完全に定着している印象だ。
松山市は、2008年に放送予定のNHKスペシャル大河ドラマ「坂の上の雲」(司馬遼太郎原作)の舞台になることが決定しており、現在、年間約500万人の観光客を約600万人にまで増やす計画を推進している。そのため観光客向けの路面電車や観光列車、ロータリーバスなどにも積極的にICい〜カードを導入し、観光客にとっても利便性の高いサービスを作り上げている。来年には、松山市の観光施設にもICい〜カードの電子マネーサービスが展開されていく模様だという。
ICい〜カードは、交通系IC乗車券/電子マネーにとどまらず、地方都市の行政や街作りとも連携した“地域通貨型の電子マネー”になりつつある。この点が全国展開する他の電子マネーやFeliCaクレジットとの大きな違いだ。FeliCaやおサイフケータイにとって、今後も注目の事例の1つと言えるだろう。
関連記事
- おサイフケータイで、松山市を散策してみた
おサイフケータイ片手に愛媛・松山市を散策。タクシーからバスまで、シームレスに移動できる環境は気持ちいい。 - 伊予鉄道「ICい〜カード」スタート
電車・バス・タクシーといった複数の交通手段を、FeliCaのシステム1つで対応。愛媛県松山市は、今最も「おサイフケータイ」が普及した街だ。 - 全国初、おサイフケータイで電車に乗れる──伊予鉄道
モバイルSuicaより一足先に、携帯電話で電車に乗れるサービスが、松山市で始まる。電車のほか、バス、タクシーも乗車可能だ。 - Interview:伊予鉄道はなぜ、「FeliCa採用」に踏み切ったのか (前編)
おサイフケータイで電車に乗れるサービスを開始した、愛媛県の伊予鉄グループ。FeliCa採用は単発的な取り組みではなく、総合的なサービス向上施策の一環として導入された。慢性的な利用客減少と戦う、地方交通事業者の実情とは……? - Interview:伊予鉄道はなぜ、「FeliCa採用」に踏み切ったのか (後編)
伊予鉄道の導入事例を見ていくと、FeliCa対応当初からおサイフケータイに対応、電子マネーとしての利用も見据え、コスト削減も進めるなど、実によく練られた計画であることが分かる。 - Interview:ドコモ四国愛媛支店が考える「おサイフケータイ戦略」(前編)
おサイフケータイの利用拡大は、東京よりもむしろ地方で活発に進んでいる印象がある。「いかに使える場所を増やすか」に真剣に取り組む、NTTドコモ四国愛媛支店に話を聞いた。 - Interview:ドコモ四国愛媛支店が考える「おサイフケータイ戦略」(後編)
地域密着の面展開で、おサイフケータイが使える場所を増やす努力を続けているドコモ四国愛媛支店。その結果、おサイフケータイの販売数も順調に伸びているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.