企業のデータ侵害によるコストは1件当たり平均182ドルで、前年比で31%も増えている――。調査会社Ponemon Instituteが10月23日発表した調査報告書で明らかにした。
調査は、電子メール暗号化のPGPとデータ侵害防止ソリューションのVontuがスポンサーとなり、Ponemon Instituteが実施。データ侵害によるコストとして、ホットラインの設置などのカスタマーサポート関連のコストに加え、法務関連費用や調査費用、株価への影響や機会損失まで、多岐にわたる費用を調査した。こうした費用の規模はケースにより大きく異なり、分析対象となった31件のケースの中には、100万ドル程度のケースから、高いものでは2200万ドル以上になるものもあった。
Privacy Rights Cleatinghouseによると、2005年2月以降、企業のデータ侵害件数は330件に上り、9300万人が影響を受けているという。Ponemon Instituteが行った別の調査では、過去12カ月以内に社外秘情報などを保管したノートPCを紛失したことがある、と回答した企業は81%だった。
Ponemon Instituteでは、データ侵害に対する法制度や世論が厳しくなるに伴い、セキュリティ不備による損失も急増すると指摘。企業のデータ侵害防止策の強化を呼び掛けている。
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