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「私的利用目的での複製を合法化せよ」――英シンクタンクが主張
英国のシンクタンクが、現在の著作権保護法は「時代遅れ」と批判。私的利用目的でのCDやDVDの複製を許可すべきだと主張している。
英国の著作権保護法は、「私的複製権」を認め、MP3プレーヤー愛好者を保護するよう改正すべき――英シンクタンクのInstitute for Public Policy Research(ippr)が10月29日、報告書をまとめた。
ゴードン・ブラウン財務大臣の発案により設置され、Financial Times紙の元編集者アンドリュー・ゴワーズ氏が指揮する、英国における知的財産権に関する独立調査団「Gowers Review of Intellectual Property」は、11月に調査報告書をまとめる見通しだ。ipprは同調査団に対し、300年の歴史を持つ時代遅れの法律を見直すべき、と強く主張している。
同シンクタンクは、「私的複製権」を定め、個人がCDやDVDを個人利用のためにコピーできるようにすべきだと推奨している。
英国の現在の知的財産保護法では、著作権の存在するものを個人がコピーする権利は認められていないが、現行の法律では、英国民の半数以上が法律違反を犯していることになってしまう、と同シンクタンクは指摘している。18歳以上の英国人2135人を対象に、2006年4月に調査を実施したところ、「CDをほかの機器(PC、MP3プレーヤーなど)にコピーしたことがあるか」という質問に対し、「はい」が55%、「いいえ」が45%だった。
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