JR東日本、Suica連動のポイントサービスを提供
電子マネーSuicaの支払いに、ポイントシステムを連携できるシステムをJR東が提供する。加盟店ごとに独自のポイントを発行できるシステムと、共通で利用できる「Suicaポイント」システムの2種類で、2007年6月よりサービスを開始する。
東日本旅客鉄道(JR東日本)は、Suica電子マネーの利用金額に応じて付与できるポイントシステムを開始することを明らかにした。2007年6月よりサービスを開始する。
ポイントシステムは、大きく2種類に分けられる。1つは複数の加盟店で共通して利用できる「Suicaポイント」を使う仕組み、もう1つは事業者の独自ポイントを、Suica連動で発行できる仕組みだ。
複数の加盟店共通で貯められる「Suicaポイント」
JR東日本が運営する「Suicaポイント」は、複数のSuica加盟店で利用できる共通ポイント。Suicaポイントを導入している店舗であればどこでも、Suica電子マネーを使って支払いをすると、Suicaポイントが貯まる。ユーザーが貯めたポイントは、Suica電子マネーとしてチャージできるほか、JR東日本と提携した企業のポイントに交換することもできる、“貯めやすさ”が魅力だ。
ユーザーがSuicaポイントを利用するには、JR東日本が設立する「Suicaポイントクラブ」に入会する必要がある。Suicaポイントクラブに入会できるのは、モバイルSuicaユーザーと、JR東日本が発行するSuica機能付きクレジットカード「ビュー・スイカ」ユーザーのみ。Suicaポイントの残高を確認するには、携帯またはPC用Webサイトへアクセスする。SuicaポイントをSuica電子マネーに変えるには、ビュー・スイカの場合は駅のATM「VIEW ALTTE」を、モバイルSuicaの場合は「Suicaポケット」を利用することになる。SuicaポケットはモバイルSuicaで電子マネーを受け取るための新機能。
なお、Suicaは2007年4月からPASMOと電子マネー機能を相互乗り入れするが(2005年12月の記事参照)、Suicaポイントを導入できるのは、Suica加盟店のみ。従って、PASMO電子マネーが利用できる店舗でSuicaを使って支払いをしても、Suicaポイントは貯められない。
加盟店独自のポイントをSuicaと紐付けできるサービス
JR東日本では、加盟店独自のポイントサービスにSuicaを紐付けできるサービスも提供する。事業者は自分の店舗でSuicaを使って決済をしたユーザーに対して、自社の独自ポイントを付与できる。貯まったポイントは、商品交換や割引など、事業者が設定したメニューに応じてユーザーに還元される。
独自ポイントは、Suica電子マネーが利用できるすべてのSuicaで利用できるが、ユーザーはインターネット接続ができる携帯電話を持っている必要がある。ポイント会員の登録や、ポイントの残高照会を携帯電話から行うようになっているためだ。
このサービスに必要なシステムは、JR東日本が提供するため、事業者はカードを発行したり、システムを独自に構築することなく、システム利用料等を支払うだけでポイントサービスを導入できる。
Edyのポイントシステムとの違いは?
どちらの仕組みでも、ポイントの原資は事業者(加盟店)が負担することになる。また、Suicaポイントのシステム構築はNTTデータとジェイアール東日本情報システムが、独自ポイントのシステム構築はインデックスとジェイアール東日本情報システムが、それぞれ共同で行う。
電子マネー決済と連携できるポイントシステムはすでにEdyがプロントやマツモトキヨシなどの事業者に対して提供しているが、Edyで利用できるポイントは事業者ごとに利用できるもので、Suicaの独自ポイントシステムに近い。ただし、EdyではEdy番号を使ってポイント付与するかどうかを即時に判断し、決済と同時にポイントを付与しているのに対して、Suicaの独自ポイントシステムではいったんサーバで決済履歴を確認したあとでポイントを各Suicaへサーバから付与するため、決済からポイント発生までタイムラグがあるなどの違いがある。
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