「キャリア公式サイトの課金モデル、捨てるしかない」ヤフー井上社長
「キャリア公式サイトの課金モデルはいったん捨てるしかないだろう」――ヤフーの井上社長はこんな見方を示した。携帯サイトは今後、広告モデルの無料サイトが台頭し、その後改めて有料コンテンツが出てくる、という考えだ。
「キャリア公式サイトの課金モデルはいったん捨てるしかないだろう」――ヤフーの井上雅博社長は11月17日の記者懇談会でこんな見方を示した。携帯サイトは今後、広告モデルの無料サイトが台頭し、その後改めて有料コンテンツが出てくる、という考えだ。
キャリア公式サイトは、キャリアの厳しい審査を経たサイトのみが登録でき、登録ユーザーから利用料を徴収する。井上社長はこのモデルが「PCで言う、PC-VANやNIFTY SERVEに近い」し、最終的には利用者に支持されない恐れがあると語る。
「公式コンテンツのルールを守っているサービスは、利用者に支持されない可能性がある。日本でネットが発展したのは、頭のいい人がルールを作ったからではなく、多くの人が知恵を出し合っていいサービスを作ったから」
有料ベースのパソコン通信が、無料・広告モデルのインターネットに取って代わられたような転換が、今後携帯サイトでも起きると井上社長は見ている。「携帯もいつか無料コンテンツ中心になり、当面は広告収入に頼ることになる。その後改めて、『これは課金できる』というコンテンツが出てくると思う」
ただ無料コンテンツが台頭するには、広告市場の成立が不可欠。「携帯サイトはまだ、広告市場が成立しない程度にしか使われていない。まずは利用者を増やし、サイトがPCと同程度使われれば、市場が成立するだろう」
「Yahoo!モバイルは、公式サイトの基準をまったく満たしていない勝手サイト。その制限の中でヤフーが携帯サイトを作るとどうなるかを見せていく」
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