政府監視下でも自由なWeb閲覧を可能にする「Psiphon」が正式リリース
Web閲覧を監視されている国に住む人々が、監視の目を逃れて自由に閲覧することを可能にするツール「Psiphon」がリリースされた。
カナダのトロンド大学にあるCitizen Labは12月1日、プロキシツール「Psiphon」を正式リリースした。サイトから無料でダウンロードすることができる。
Psiphonは、中国やイランなど、Web閲覧が政府によって監視、規制されている国に住む人々が、監視の目を逃れて自由にサイト閲覧できるようにすることを目的としたソフトウェアである。
Psiphonは、信頼できるソーシャルネットワークに依存するという点でユニークな構造を持つ。まず、Web閲覧が監視されていない国に住む人々が自分のパソコンにPsiphonソフトウェアをダウンロードして、リモートPsiphonサーバ(psiphonodeと呼ぶ)を実行、ユーザーアカウントを管理する。監視されている国に住む人々(psiphonite)は、psiphonode経由でWebに接続するという仕組み。
Psiphonは一般のプロキシサーバと同様に機能し、暗号化されたネットワーク経由でユーザー(psiphonite)のリクエストを受け取って処理し、ユーザー、つまりクライアント側に返す。Psiphonを利用するには、特定のWebアドレスにアクセスし、psiphonodeから受け取ったユーザーネームとパスワードを使ってログインする必要がある。つまりユーザー側は、ソフトウェアをダウンロードする必要がない。
従来のプロキシサーバはアドレスが広く公開され、誰もが匿名で利用可能なのに対し、Psiphonでは個人がサーバ管理を行い、自分が信頼できる数人のアクセスを可能にする点で大きく異なる。一般公開されているプロキシサーバは政府によってブロックされる可能性が高いが、無数の個人がアクセスポイントとなるPsiphonでは、規制が困難になる。
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