松下電池工業はこのほど、高容量でも発熱・発火が起きにくいというリチウムイオン充電池の本格量産体制を確立したと発表した。2.9Ahと高容量なノートPC用円筒形電池を、月産500万個のペースで生産できる。
リチウムイオン充電池は、正極と負極との間の絶縁層に異物が混入し、電池内の正・負極間でショートが発生すると、電池が発熱したり、発火に至る可能性がある。今回、量産体制を確立した電池は、絶縁層と負極の間に絶縁性に優れた耐熱層「HRL」を形成することにより、ショート時でもわずかな発熱を起こすだけで済むという。
同社は今年4月に同技術を確立し、同社PCなどに搭載してきたが、本格量産には至っていなかった。
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