iPhoneでモバイルマルウェアも新時代?
Mac OS XベースでPC的な動作や機能を特徴とする「iPhone」は、マルウェアの格好の標的になるかもしれないとセキュリティ各社は指摘する。
MacとiPodの要素を組み合わせた「iPhone」の登場で、携帯電話を標的としたマルウェアも新時代に突入するかもしれない――。セキュリティ各社がこう指摘し、今後の展開に注目を促した。
セキュリティソフトメーカーMcAfeeはiPhoneとNokiaのN800を例に挙げ、「2007年から2008年の2年間は、携帯電話マルウェアの新時代になるかもしれない」との予想をブログに掲載した。
Symbian OSなど携帯電話向けOSに感染し、SMSメッセージを送ったり情報を盗み出すマルウェアについてはこれまでにも多数伝えられてきた。しかしMcAfeeではiPhoneがMac OS Xを、N800がLinuxを基盤としていることに着目する。
こうしたモデルはすべてネットワーク機能をフル装備し、無線LANにも対応するなどPCベースの動作や機能が特徴。これにより、フル機能を備えたマルウェアも登場する可能性があると、McAfeeは警鐘を鳴らしている。
ロシアのセキュリティ企業Kaspersky Labも、iPhoneがiPodのような人気製品になれば、マルウェアの様相が変化するかもしれないと見る。
iPhoneの人気が出れば、モバイルマルウェア作者の格好の標的として狙われるようになるとKasperskyは予想。iPhoneに搭載されているのはスリム版のMac OS Xだが、少なくとも一部でワークステーション用のOS Xと同じ脆弱性が存在する可能性があると指摘する。
これはMac OS Xの脆弱性ハンターにとって"一挙両得"状態になり、今後AppleのOSで脆弱性の報告件数が増えるだろうとKaspersky Labは予想している。
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