薄型テレビ、特に液晶テレビが好調な伸び――ディスプレイ関連調査会社の米DisplaySearchは2月13日、2006年第4四半期の世界テレビ出荷についての統計を発表した。テレビ全体の出荷台数は、前年同期比1%減の5760万台にとどまったが、薄型テレビへのシフトが進んでいることから、平均価格は534ドルと前年同期を16%上回り、結果として売上高は同15%増の308億ドルの過去最高となった。
種類別に見ると、売上高ベースで前年同期を上回ったのは液晶テレビのみ。液晶テレビは、平均販売価格(ASP)は21%下がったものの、出荷台数は117%増で過去最高の1860万台を記録、売上高は72%増となった。テレビ全体に占める液晶テレビの出荷台数シェアは32%で、画面サイズ40〜44インチでは、初めてプラズマテレビを抜いた。ブランド別売上高シェアでは、大画面テレビや、1080p対応の高解像度テレビが好調なソニー(シェア17.4%)が首位。2位は、第3四半期に首位だったSamsung Electronics(同15.0%)。以下、シャープ(同11.2%)、Philips(同10.5%)、LG電子(同6.4%)と続く。
プラズマテレビの第4四半期の売上高は50億ドルで、第3四半期を7%上回ったものの、前年同期比では4%減となった。ASPは1643ドルで、前年同期から29%下落。50インチ以上の大画面テレビでリアプロテレビを上回るなど、大型テレビの出荷は増加しているが、価格下落の影響が売上高の減少につながった。ブランド別売上高では、松下電器産業が引き続き首位(シェア33%)。2位以下はLG電子、Samsung、Philips、日立、パイオニアと続く。
テレビ全体の傾向としては、高精細(HD)テレビの出荷台数が全体の35%を占め、第3四半期の27%から伸びている。売上高ベースでは、全体の75%がHDTV。1080p対応テレビは出荷台数全体の2.9%で、第3四半期の1.6%から増加。売上高ベースでは13%を占めている。テレビ全体のブランド別売上高は、首位はSamsung(シェア14.4%)で、以下ソニー(同12.7%)、LG電子、Philips、松下電器産業だった。
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ブランド別ではソニーが出荷額ベースのシェアをさらに拡大して首位をキープ、出荷台数シェアではPhilips、Samsung、シャープが上位3位を占めている。
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