三洋電機は3月28日、井植敏雅代表取締役社長(44)が4月2日付けで辞任すると正式発表した。後任には佐野精一郎執行役員総務人事本部長(54)が昇格する。井植氏は取締役にとどまる。
創業者の孫にあたる井植氏は2005年6月に就任。経営不振に陥った同社の再建を目指したが、不振が続いている上、携帯電話用充電池の不具合や不正会計疑惑などの問題が噴出。19日には同時に就任した野中ともよ会長が辞任していた。
三洋で創業家出身者が会長・社長に就かないのは初めて。創業家の排除で、金融機関主導による聖域なき事業再編が進むとの観測もある。
佐野氏は1977年に入社し、人事・労務を担当してきた。
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