CTIAに見る2007年のキラーアプリケーション
2007年のキラーアプリケーションはモバイル分野で登場しそうだ。CTIA Wirelessに参加し、その確信が強まった。
次のキラーアプリケーションは何だろう。この問いは、後から考えると分かりきったことに思えるのに、先のことは見えないという、永遠の問題のたぐいだ。
今のところ、注目はWebでホスティングされたプログラムに集まっているが、わたしの考えでは2007年のキラーアプリケーションはモバイル分野で登場しそうだ。
携帯性、GPSソフト、堅牢な携帯電話などの無線ネットワークで強化されたスマートハンドヘルド端末とビジネスアプリケーションを組み合わせれば、すべて行き着くところはビジネスモビリティの年だ。
わたしは最近、米フロリダ州オーランドで開かれたCTIA Wirelessに参加し、キラービジネスアプリケーションに関する今の思いを一層強くした。次のことを考えてみるといい。
米連邦通信委員会(FCC)は、また新たな周波数帯の競争入札を行っている。テレビがUHFからデジタルへの移行で空く700MHzの周波数帯は、実質的にテレビ業界から召し上げられる。
FCCのケビン・マーティン委員長はCTIAの聴衆を前に、競争入札の成功がFCCにとって今年の最優先課題になると語った。
モバイルビジネスアプリケーションは、壁を透過でき、ほかの周波数帯よりも到達距離が長い周波数帯を使うため、周波数帯を増やすことは重要だ。
競争入札がうまくいけば、ワイヤレスブロードバンドの速度を有線の速度に一層近づけるための要因になり得る。
Microsoftのスマートフォン向けOS、Windows Mobile 6は、強力なモバイルアプリケーション環境を備えている。
Microsoftにとって、2007年にはVistaよりもMobile 6の方が重要になるとわたしは思う。ユーザーにとってVistaのメリットが一目瞭然とはいえないのに対し、Mobile 6ではユーザーが切望しているWebの使い勝手の大幅な向上が図られた。
CTIAでAT&Tは、Samsung BlackJack、Cingular HTC 8525、Palm Treo 750向けに、Mobile 6を無料アップグレードとして提供すると表明した。
今や活気を取り戻したAT&Tなどの企業では、コンシューマーアプリケーションに注ぐのと同じ熱意でモバイルビジネスプラットフォームの開発に当たっている。
AT&Tのランディ・スティーブンソンCOOはCTIAの基調講演で、同社が進めているモバイル決済システム(BancorpSouth、Firethorn Holdingsとの共同プロジェクト)およびアプリケーションプラットフォームの拡充について言及するのを忘れなかった。同プラットフォームではデータをリアルタイムでフォーマットして、情報をリクエストした端末の画面サイズに合わせてくれる。
両プロジェクトともビジネスアプリケーションが強化され、モバイルプラットフォームを仕事に利用しやすくなる。特に決済システムではオンラインバンキングが携帯端末で使えるようになり、セキュリティオプションの強化も盛り込まれる。
展示会場では、真のビジネスニーズに応えた一連の新しいモバイルビジネスアプリケーションを目にした。
ある企業は携帯電話のトランシーバ機能とGPSを組み合わせ、現場各所に配置した担当者を束ねる管理職が、部下の居所を調べるだけでなく、サポート電話にどのくらい時間がかかっているかまで把握できるようにした。この情報を使えば管理者は、もっと効率的に作業員のスケジュールを組めるようになる。
広い範囲に散らばった従業員の居所把握と管理は、ピザ宅配業者といったスモールビジネスから全国的に業務展開している運送業者のような大規模組織まで、幅広い業界にアピールするモバイルアプリケーションの1つだとわたしは思う。
Research In Motion(RIM)のマイケル・ラザリディス社長はプレゼンテーションで、業績や在庫状況、販売が行われている時点での売買実績をリアルタイムでチェックできる企業向けのモバイル対応ビジネスアプリケーションを多数紹介した。これらアプリケーションはすべて、会社の基幹ビジネスアプリケーションに常時接続されたハンドヘルド端末で参照できる。
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