英Internet Watch Foundation(IWF)は4月17日、オンライン上での児童虐待に関する2006年度年次報告書を公開した。それによると、児童虐待コンテンツの中でもIWFが「最も深刻」と見なす虐待レベルの画像を含むページの数が、前年から4倍も増えた。また、児童虐待サイトの約60%は児童のレイプ画像を販売しているという。IWFが児童虐待と認識したページのうち、29%は5段階中4または5(最も深刻)の画像を含んでいた。
これらサイトに掲載された児童の80%は女子、91%は12歳以下である。
児童虐待画像などを販売する商業サイトは、サーバを頻繁に変更するなどの手段を用いて、司法の手を逃れている。例えばあるサイトに関しては、2002年以来224回も通報があった。児童虐待サイトの90%は、米国(62%)とロシア(28%)でホスティングされているという。
IWFが設置している児童虐待サイト通報用「ホットライン」では、2006年に3万1776件の通報が処理された(前年対比34%増)。この結果、1万656のURL、3077サイトが児童虐待コンテンツを含むと判定されている。うち82.5%のサイトは米国またはロシアにリンクしており、前年の67.9%から増加した。
また2006年度年次報告書では、写真共有サイトへの虐待写真掲載が急増している事実も明らかにされた。2004年には写真共有サイトが児童虐待写真を含むとの報告はなかったが、今回は児童虐待コンテンツの10.5%が写真共有サイト上にあった。
関連記事
- ネットポルノ規制法に違憲判決
米児童オンライン保護法をめぐる裁判で、同法が言論の自由の侵害に当たるという原告側の主張を認める判決が言い渡された。(ロイター) - ハッカーが暴いた小児性愛者に有罪判決
この事件はトロイの木馬を使った証拠収集を正当化できるのかという問題も提起した。 - 「ぼくとHして」はNG――ネット掲示板の削除ガイドライン策定
「女子中学生でぼくとHしてくれる人いませんか」「中とか高の子で、お財布中超きびしい子いませんか? 会える子いたら助けるよ」は違法――ネット上の違法情報を判断できるガイドラインを業界団体が策定した。 - 児童ポルノで全米で125人以上が一斉摘発
インターネットでの児童ポルノ販売および購入で、全米で125人以上が一斉摘発された。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.