「携快電話」も更新無料に ソースネクスト「ZERO」戦略拡大
バージョンアップを無料にした「携快電話ZERO」をソースネクストが発売する。更新を無料にした「ウイルスセキュリティZERO」がヒットしており、携帯ソフトにも同様の戦略を導入して販売を伸ばす作戦だ。
ソースネクストは5月14日、将来のバージョンアップを無料にした携帯電話メモリ編集ソフト「携快電話ZERO」を6月29日に発売すると発表した。更新を無料にしたセキュリティソフトが好調なため、トップシェアの携帯電話ソフトにも同様の戦略を拡大。一層の販売増を見込む。
新製品「携快電話ZERO」は、携帯電話とPCを接続し、携帯電話内のメールアドレス帳や待ち受け画面などを編集できるWindows用ソフト。FOMA/ソフトバンク3G用が3970円、全キャリア用が4980円。
従来は携帯電話の新機種や新機能に対応した新バージョンを購入する必要があったが、携快電話ZEROはこうしたバージョンアップを無料で行えるようにした。最新の携帯電話に機種変更しても、そのたびにソフトを買い直す必要がなくなるという。
無料バージョンアップできるのは、Windowsの公式サポート期間中。Windows Vistaのビジネス向けなら2017年まで、Windows XPなら14年までとなる。
同社が昨年7月に発売した「ウイルスセキュリティZERO」は、一般のセキュリティソフトで毎年かかる更新料を無料にした(関連記事参照)。割安感と分かりやすさから販売が伸び、発売から9カ月で124万本を出荷するヒットに。
同社が発表した調査会社のデータによると、4月のセキュリティソフト市場で同社の販売本数シェアが30.0%になり、シマンテック、トレンドマイクロを上回ってトップに立った。ウイルスセキュリティZEROは、同月の全PCソフト販売本数の18.8%を占める最も売れたソフトだった。
携快電話は、累計230万本を出荷した携帯電話ソフトの定番。バージョンアップを無料にする「ZERO」戦略をてこに、販売をさらに拡大させたい考えだ。
ソースネクスト前期はECが拡大
同日発表した2007年3月期決算(単体)は、営業利益が前期比50.8%増の6億9000万円になった。店頭販売に加え、ネット販売が拡大した。
売上高は115億4800万円(11.5%増)、経常利益は5億5000万円(58.7%増)、純利益は5億4200万円増(54.4%増)。
店頭販売の売上高は4.2%増の71億900万円。パッケージやダウンロード、ハードなどの関連製品を自社サイトで販売するECは25.4%増の44億3900万円に拡大した。
今期予想は、売上高が127億2100万円(10.2%増)、営業利益が9億2100万円(33.3%増)、経常利益が8億2900万円(50.7%増)、純利益が7億300万円(50.7%増)。
ソフトのダウンロード販売では、ダウンロードからインストールまでを1クリックで行えるという新ツール「1クリック・ダウンストール」を9月に導入する。あらかじめツールをPCにインストールしておけば、同社サイトからソフトをダウンロード購入する際に、1クリックでインストールまで行える。まず200タイトルを対応させ、来年3月までに100タイトルに拡充する予定。
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