ニュース
IBM、「伝染病マップ」作成用ソフトをEclipse Foundationに提供
IBMがEclipse Foundationに寄付した「STEM」は、人口や地理経済データ、鳥の移住経路などの変数を用いて伝染病の広がりをシミュレーションする技術。
米IBMは6月8日、同社が開発した疫学モデリングフレームワーク「Spatiotemporal Epidemiological Modeler」(STEM)を、オープンソースコミュニティーのEclipse Foundationに寄贈したと発表した。STEMは、伝染病などの地理的な広がりをシミュレーションできる技術。今回の寄贈により、外部開発者はEclipse Foundationが主催するヘルスケア関連ソフトのプロジェクト「Eclipse Open Healthcare Framework Project」を通じてSTEMにアクセス可能となった。
STEMは、どのOSでも利用可能。変数として、各地域の人口や地理/マクロ経済データ、道路地図、空港の位置、人々の旅行パターン、鳥の移動経路などを利用し、時間の経過とともに伝染病がどう広がるかを高速でモデリングできるという。IBMは、世界中の20以上の公衆衛生機関とともに、伝染病の予防を目指したプロジェクト「Global Pandemic Initiative」を立ち上げているが、ここでもSTEMが活用されているという。
IBMでは、STEMにより「疾病に関する公衆衛生『天気図』が作成可能となる」とし、今回のSTEM技術のオープンソース化が、効率的な疫病対策立案の助けになると見込んでいる。
関連記事
- IBM、WHOなどと共同で伝染病対策プロジェクト推進
鳥インフルエンザの世界的感染が問題になる中、IBMのプロジェクトでは先端のソフトウェア技術を使って医療従事者と研究者、公衆衛生機関の情報共有や対策立案を支援する。 - IBM、ソフトプロセスプラットフォームをEclipseに提供
約50万のデベロッパーに利用されているソフトプロセスプラットフォームRUPをEclipse Foundationに提供する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.