エイズ問題の啓発狙う? USBメモリに感染するウイルス
Sophosが発見したワームの「LiarVB-A」はUSBメモリなどを通じて感染する。目的は金ではなく、エイズについて知識を広めることのようだという。
セキュリティ企業のSophosは、USBフラッシュメモリに感染し、エイズについてユーザーを啓発しようとするウイルスを見つけたと発表した。
このワーム「LiarVB-A」は、USBメモリやフロッピーディスクなどのリムーバブルドライブに感染し、「autorun.inf」という隠しファイルを作成する。感染したUSBメモリなどをWindows PCに接続するとワームが実行され、エイズとHIVについて解説したHTMLファイルをシステムに保存する。
HTMLファイルの末尾には、「このファイルはコンピュータに害を与えるものではありません。あなたのコンピュータやUSBにあるデータに危害を加えることはありません」との断り書きが付いている。
Sophosでは、「LiarVB-Aの目的は金ではなく、エイズについての情報を広めることにあるようだ」としながらも、「たとえ大切なメッセージを伝えようとするものであっても違法であることに変わりはない。有益なウイルスなどというものは存在しない」と強調している。
感染を防ぐためにはWindowsの自動実行機能を無効にし、USBやCD-ROMを挿入した際に自動的に起動しないようにした方がいいとSophosは助言(関連記事)。USBなどのストレージデバイスは、使う前にウイルスやマルウェアのチェックをかけることを奨励している。
Sophosによると、エイズ情報に関連したマルウェアが出現したのはこれが初めてではないという。1989年にある学者が2万人以上に配布したフロッピーディスクには、エイズ関連情報とともに、トロイの木馬がしのばせてあった。これは、指定された私書箱に送金しないとユーザーのディスクを空にしてしまう「ランサム(身代金要求)ウェア」だったという。
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