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AMD、新メモリ技術「G3MX」を開発へ

G3MXが実現すれば、CPUの各コアで使用できるDIMMの数が現在の8個から16個に増えることになる。

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eWEEK

 米AMDは7月25日、DIMMの数を増やす新メモリ拡張技術「Socket G3 Memory Extender」(G3MX)により、2年後に同社のOpteronマイクロプロセッサプラットフォームのメモリ容量を増加させる計画について発表した。

 G3MX技術は2009年に市場に投入される見通し。この技術が実現すれば、CPUの各コアで使用できるDIMMの数が現在の8個から16個に増えることになる。

 G3MXは現在、ICベンダーの米IDTおよび米Inphiとともに共同で開発されている。AMDによると、同技術は次世代メモリ規格のDDR3 DRAM(Double Data Rate 3 DRAM)もサポートしている。

 またAMDによると、G3MX技術はハイエンドサーバと一部ミッドレンジサーバのメモリ容量を拡張でき、それにより、基幹業務アプリケーションや大規模データベースの実行、仮想化の導入に合わせて性能を強化できるという。

 64ビットプロセッサに搭載されるメモリ容量は非常に大きいが、チップセットとマザーボードの設計の都合上、サーバに収容できるDIMMの数には限界がある。今回のAMDの開発により、そうした設計上の限界が解消され、サーバはより大きなメモリ容量で実行できることになる。

 AMDは現行のOpteronプラットフォームでは2つのメモリチャンネルを用い、1チャンネルにつき4つのDIMMに対応している。G3MX技術により、メモリチャンネルは2つ追加され、DIMMの数は16個になるとAMDのOpteron担当製品マネジャー、キシュナ・ウィーバー氏は説明している。

 「OpteronプラットフォームにG3MX技術を採用すれば、システムはより多くのメモリを活用できることになる。ユーザーが求めているのは、メモリフットプリントの拡充だ」と同氏。

 またウィーバー氏によると、AMDはG3MX技術を次世代マイクロアーキテクチャの導入開始に合わせて投入する計画という。G3MX技術はハイエンドの4ウェイシステムのメモリ容量を拡張できるほか、ミッドレンジの2ウェイシステムのメモリ強化にも利用できる。

 仮想化を導入し、1台の物理サーバで複数のOSとアプリケーションを稼働させる顧客が増えるなか、ユーザーの間ではAMDに対し、多数のアプリケーションを実行する複数の仮想環境をサポートできるよう、新たなメモリ強化の方法を求める声が高まっている。

 「われわれはG3MX技術が大きな差をもたらすであろう分野の1つとして、仮想化を考えている。仮想化は、まさにわれわれの取り組みを反映している。1つのシステムで多数のアプリケーションを実行するためには、サーバのメモリ容量を大幅に拡大する必要がある」とウィーバー氏。

 世界最大のプロセッサメーカーであるIntelもまた、新しいDDR3 DRAM技術の提供を計画している。広報担当者によると、同社はまずデスクトッププラットフォームでDDR3をサポートする方針という。この広報担当者は、現時点で同社のロードマップの詳細を語ることを断っている。

 「Intelは業界で初めて、DDR3をサポートするデスクトッププラットフォームを提供することになるだろう。当社はサーバプラットフォームで広範な技術をサポートしており、顧客に最高のパフォーマンスと最高のパフォーマンス効率を提供すべく、常に技術の見直しを進めている」とこの広報担当者はeWEEK編集部あてのメールで語っている。

 「メモリバッファ技術は新しいものではない。Intelのサーバでは、既に数世代にわたってメモリバッファを採用している。460GXチップセットのMACやE8500チップセットのXMBなどだ。将来のプラットフォームでのメモリバッファ技術の採用については、今後も引き続き検討していく」と担当者は続けている。

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