MSのマルウェア対策ツール、Storm Wormに対処
「悪意のあるソフトウェア削除ツール」は9月の更新版でStorm Wormに対処し、27万4372台の感染マシンをクリーンアップしたという。
通称「Storm Worm」のマルウェアが次々に形を変えて感染を広げている事態を受け、Microsoftは9月の悪意のあるソフトウェア削除ツール(MSRT)更新版でこれに対処、このほどブログで結果を報告した。
MSRTはMicrosoftが無償配布し、世界で3億5000万台超のマシンで実行されているツール。更新版は、同社の月例セキュリティアップデートとともに、毎月配布されている。
9月のMSRTリリースから1週間後の9月18日現在で同社がまとめた統計によると、MSRTがマルウェアを削除したマシンは合計257万4586台。このうち「Nuwar」(Storm Wormの別名)は27万4372台のマシンから削除したが、「Renos」の66万8362台、「Zlob」の66万4258台に比べると少なかったという。Storm Wormは世間で騒がれている割に、感染台数は3番目にとどまったとMicrosoftは指摘している。
マルウェア作者とのいたちごっこは続く
しかし、Microsoftが更新版のMSRTをリリースした直後に、Stormボットネットの背後にいる組織は直ちに自分たちのソフトを更新したという。
MSRTがターゲットとしているのは「極めて特定された既知のマルウェア」のみ。Storm攻撃では常にマルウェアがアップデートされており、「いたちごっこ状態」が続いているとMicrosoftは打ち明ける。
MSRTでこれだけ多数のマシンからマルウェアを削除しても、ユーザーがまた同じマルウェアに感染してしまう傾向は強く、Stormボットネットは徐々に勢力を回復するだろうとMicrosoftは予想する。MSRTはリアルタイムのマルウェア対策プログラムと併用した場合にのみ効果を発揮できると強調している。
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