セイコーエプソンは10月15日、黒の表現力を高めた有機ELパネルを開発したと発表した。寿命(輝度半減時間)も実用レベルの5万時間以上を達成。実用化へ向け、小規模量産に対応可能な開発製造ラインの稼働も始めた。
開発したパネルは8インチ(対角20.3センチ)・800×480ピクセル表示。輝度は200カンデラ/平方メートル、コントラスト比は10万:1以上としている。
画質を左右する黒色の表現を高め、高品位な質感表現が可能になっているという。また、有機ELの長寿命化で課題だった初期段階の輝度劣化を、発光材料の改善と独自素子構造の開発で克服したとしている。
今後、用途別のシステムを構築して事業化の可能性を検証していく。開発製造ラインは富士見事業所(長野県富士見町)に設けた。
パネルはディスプレイ技術の国際展示会「FPD International 2007」(24日から、パシフィコ横浜)に参考出展する。
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