米下院外交委員会は10月16日、米Yahoo!のCEOジェリー・ヤン氏と、上級副社長兼法律顧問のマイケル・キャラハン氏に対し、中国人記者が投獄された事件への同社の関与について、11月6日に開かれる公聴会での証言を要請した。
トム・ラントス外交委員長は両名に対し、中国当局への中国人記者シ・タオ氏に関する情報提供などについて証言を求めるとしている。また委員会は、Yahoo!が中国当局へ情報提供した事実について、米議会に対し虚偽の証言をしたとしている。
中国人記者のシ・タオ氏は、海外のWebサイト「Democracy Forum」に、メディアや民主主義活動に対する中国政府の弾圧を報告する記事を匿名で掲載したために、2004年に自宅で逮捕された。中国政府がYahoo!からシ氏のメールアカウント、IPアドレス、ログオン記録、メール履歴を取得したことが、逮捕につながったという。シ氏は禁固10年の判決を受け、現在服役中だ。
2006年2月の小委員会の公聴会で、キャラハン氏は「捜査の性質について何も知らなかった」と証言した。しかし2007年7月、人権擁護団体のDui Hua Foundationが、中国当局がYahoo!に送った文書を暴露。この文書には中国が政治犯訴追の際にしばしば用いる罪名が、シ氏の捜査理由として記されていた。
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